あり巣 in undergroundの設計思想
当店は、機能と制約を起点に製品を設計しています。
1. 出発点は「生体の飼育条件」
私たちは、見た目から設計しません。
形状は、必要な機能と与えられた制約から必然的に決まるものだと考えています。
当店の設計は、生体に必要な条件を仮定することから始まります。
まず最初に置くのは、飼育が成立するための条件です。
- 湿度
- 通気
- 光量
- 振動
- 給餌動線
- 観察動線
多くの種の飼育に対する汎用性とコストを前提に、「終生飼育」を目指して設計します。
形は最後に決まります。
2. 再現できる設計であること
見た目の追求や理想論ではなく再現性を優先し、誰が使っても再現できる設計を目指します。
そのために、
- 水分の保持、経路
- 巣内で作られる湿度勾配
- メンテナンス頻度
- 誤操作時のリスク幅
を具体化し、形状に落とします。
長く飼育を続けられることを前提に設計しています。
3. 素材と加工の組み合わせ
FDM方式の3Dプリンタには大きな形状自由度がありますが、
- 水密性
- 透明性
- 強度
に制限があります。
そのため当店では、強度が必要な部分にはステンレスメッシュを採用し、観察面や水密性が必要な部分にはアクリルやスチロール、PETなどの透明素材とレーザー加工を組み合わせています。
形状は自社で設計し、強度や透明性、水密性は素材で補完し、機能に対して合理的な構成を選びます。
4. 改良を前提とした設計
1回で完成させることはありません。
テスト販売と実使用フィードバックを通じて改良を重ねます。
製品は私たちだけで完結させるのではなく、実際に使う方の声を反映しながら完成度を高めていきます。
段階的に改善できる仕組みと、改良を止めない姿勢で取り組みます。
5. 「サイズ × コスト × 用途」が成立すること
製品は理想ではなく、使われて成立するものです。
設置スペースに収まり、必要な機能を満たし、価格に合理性があることを基準とします。
原価や試作・検証工程、供給量と整合しない価格は設定しません。
小規模市場ゆえ生産ロットには制限があり、その制約を踏まえ持続可能な仕様と価格を設計しています。
6. 価値を優先した設計
私たちの製品開発の目的は、価値を生むことです。
技術はその条件を満たすための手段に過ぎません。
複雑さや新しさを目的として追うことはありません。
扱いやすく、維持でき、意味のある形であることを優先します。
表現としての形ではなく、用途から導かれる形を選びます。
7. 私たちが目指すもの
私たちは、使う人にとって合理的な商品を提供し続けることを目指します。
機能に誠実で、前提条件を明確にし、使い続けられる製品を作ります。
機能と制約から形を決め、
価値を目的に設計する。
株式会社AIU
代表取締役 福山貴之
