大型のハリアリを、もっと広い環境で飼いたい。
土や石、流木などを使って、テラリウムのような餌場を作りたい。
普通のコンパクトな巣と餌場では物足りない。
そんな飼育のために作ったのが、大型種レイアウトシリーズです。
普通の大きな虫かごじゃダメなの?
カブトムシなんかを想定しているから、スリットやメッシュが大きくてアリには向かないんだよ。
コバエが入らないような細かい目のケースならあるよね?
あるけど、通気穴が少なかったり、不織布で塞いでいたりして、そのままアリ飼育には使いにくいんだ。
不織布でもダメなの?
アリはかじって穴を開けることがあるから、脱走対策としては不足なんだ。
だからアリ用の大きなケースを作ったんだねっ!
大型ケースの脱走対策と通気性
大型種レイアウトシリーズの中心になるのが、特大レイアウト用ケース(L-DCbs)です。
ケースサイズは約250×324×132mm。設計の中心はパラポネラやキバハリアリ類などの大型種ですが、体長4mm以上のアリで使用できます。
アリ飼育では、単に通気口を細かくすればいいわけではありません。細かなメッシュほど同じ面積では空気が通りにくくなるため、金属メッシュを広い範囲に配置して十分な通気面積を確保しました。さらにケース上部には返しを設け、脱走しにくい構造にしています。
メッシュを細かくすると通気が悪くならないの?
だから小さな通気穴を少し作るんじゃなくて、広い面積をメッシュにして通気量を確保してるよ。
メッシュの細かさだけじゃなくて、面積も必要なんだねっ!
顎の強い種類には細目メッシュがおすすめ
特大レイアウト用ケースには、通常のメッシュに加えて細目メッシュへ変更できるオプションがあります。
通常メッシュは価格を抑えられる一方、顎の強い種類ではメッシュを変形させたり、穿孔したりすることがあります。
細目メッシュは、アリの顎が掛かりにくいほど目を細かくしているため、通常メッシュよりも変形や穿孔の可能性を下げられます。
最初から全部細目メッシュじゃダメなの?
通常メッシュの方が安いから、必要のない種類まで高価な仕様にする必要はないんだよ。
顎の強さに合わせて選べるようにしてるんだねっ!
商品ページの写真では、通常メッシュと細目メッシュの違いも確認できます。飼育する種類に合わせて選んでください。
大型ハリアリに広い餌場が必要な理由
パラポネラやキバハリアリ類などの大型ハリアリは、肉餌を多く使用します。
大きな餌虫を与える機会も多く、食べ残しの回収や掃除にもスペースが必要になります。
餌場が狭いと、アリを避けながら給餌したり、床材を掃除したりする作業も難しくなります。
大きな餌場って見た目を楽しむためだけじゃないの?
肉餌をたくさん使う種類ほど、給餌や掃除をするための作業スペースが広い方が管理しやすいんだ。
大型種ほど広い餌場の実用性も大きいんだねっ!
⇧手がらくらく入るほど大きなケース
もちろん、土や石、流木などを配置して、テラリウムのようなレイアウトを楽しむこともできます。広さが必要だから大型ケースを使うだけでなく、餌場そのものを作り込みたい人にも向いたシリーズです。
巣と餌場の環境差
アリの巣と餌場は、同じ環境にする必要はありません。
巣は湿らせ、狭く、比較的閉鎖された環境にする。餌場は乾燥させ、広く、十分に通気する。
この環境差を作ることは、アリを健康に飼育するうえで大切な考え方のひとつです。
全部ちょうどいい湿度にしておく方が良さそうだけど違うの?
巣と餌場にはあえて環境差を作って、アリ自身に使い分けてもらうんだよ。
アリに巣の場所を選んでもらうんだねっ!
湿潤で閉鎖的な場所と、乾燥して開放された場所。性質の違う環境を用意しておけば、アリ自身の選好によって使い分けます。
この「飼育者がひとつに決めるのではなく、条件の違う環境を用意してアリに選ばせる」という考え方は、大型種レイアウトシリーズ全体に共通しています。
前身モデル F-Hkd2/L-Hkd2
大型種レイアウトシリーズには、前身モデルがあります。
それが、大型石膏巣フレーム(F-Hkd2)と大型レイアウト用ケース(L-Hkd2)です。
前身モデルも、大型アリに広い餌場と大きな巣を用意することを目的に作っていました。
実際にたくさんの海外生体を取り扱う取引先のAYimportさんでは、大型レイアウト用ケース(L-Hkd2)と大型石膏巣フレーム(F-Hkd2)を組み合わせて、キバハリアリ類の飼育に使用されています。
AYimportさんからも、キバハリアリなどに使用できることや、連結して拡張できることに加えて、このくらいの大きさのアリでは餌場を広く取った方が状態よく飼育できるという評価をいただきました。
やっぱり大型のアリは餌場も広い方がいいの?
大型種は肉餌もたくさん使うから、広い餌場の方が給餌や掃除もしやすくて管理しやすいよ。
実際に飼育している人からも広さを評価されてるんだねっ!
前身モデルの大型石膏巣フレーム(F-Hkd2)自体は、横置きリンクスシリーズと連結して拡張できる構造でした。
一方、大型レイアウト用ケース(L-Hkd2)との組み合わせでは、F-Hkd2をケース内に置く構成が基本で、同じ大型石膏巣フレームをケース外へ増設していく仕組みがありませんでした。
アリが増えて巣がいっぱいになったらどうするの?
前身モデルは巣をケース内に置く構造だったから、増設できる量に限界があったんだ。
巣を増やすほど餌場まで狭くなっちゃうんだねっ!
そこで今回はケースをさらに大きくして、巣を外にもつなげられるように作り直したよ。
前身モデルの良いところを残して、もっと拡張しやすくしたんだねっ!
新しい大型種レイアウトシリーズでは、巣をケースの中にも、ケースの外にも配置できます。さらにM22規格のネジ式接続口や、横置きリンクスシリーズと共用できる連結プレートなどを採用し、既存のあり巣製品とも組み合わせやすくしました。
自在継手のM22シリーズ⇩
大型餌虫も運べる通路幅
大型種向けに大きくしたのは、ケースや巣だけではありません。アリが通る通路そのものも広くしています。
横置きリンクスシリーズの通路幅は約10mmです。対して、大型石膏巣フレーム(F-DCbs)は約20mmの通路を確保しています。
ケース外へチューブで接続した場合でも内径12mmの通路を確保でき、ケース内に巣を設置する場合はチューブ用ストレートを取り付けないため、約20mmの通路をそのまま利用できます。
アリが通れるなら、そんなに太くする必要があるの?
大型種は自分の体だけじゃなくて、大きな餌虫を巣まで運び込むことがあるからだよ。
餌をくわえた状態でも通れないとダメなんだねっ!
だから巣の広さだけじゃなくて、巣口や通路にも余裕を持たせてるよ。
通路まで大型種用になってるんだねっ!
大型ハリアリでは、大きな餌虫をそのまま巣内へ運び込むことがあります。アリ自身が通れても、餌を運んだ状態で引っ掛かるようでは使いにくいため、餌場の広さ、巣の広さ、通路幅まで含めて大型種向けに設計しています。
ケース内設置タイプ
大型石膏巣フレーム(F-DCbs)をケース内部に置くのが、ケース内設置タイプです。
ケース内設置では、巣と餌場の高低差がほとんどなく、餌までの距離も短くなります。さらに、巣口の約20mmという広さをそのまま使えます。
内側に置くのと外側に置くのは、どっちがいいの?
最初の1個なら、高低差も距離も少なくて通路も広いケース内設置がおすすめだよ。
アリが餌場へ行きやすくて、大きな餌も運びやすいんだねっ!
ケース内部には大型石膏巣フレームを最大3個設置できます。ただし、巣を増やせば、その分だけ餌場として使える面積は小さくなります。レイアウトまで含めて考えるなら、ケース内は2個程度までが使いやすい構成です。
3個置けるなら全部ケースの中に入れればいいの?
置けるけど餌場が狭くなるから、さらに増えそうなら外へ増設した方が使いやすいよ。
巣だけじゃなくて、餌場の広さも残しておくんだねっ!
ケース外連結タイプ
大型石膏巣フレームをケースの外側に配置するのが、ケース外連結タイプです。ケース内部を巣で占有しないため、餌場の広さをそのまま利用できます。
最初から外に置いた方がいい場合もあるの?
増えやすい種類や、すでに大きめのコロニーなら最初から外配置を考えていいよ。
あとから何個も巣を増やすなら、外の方が使いやすいんだねっ!
専用台座を使うことで、特大レイアウト用ケースと大型石膏巣フレームの接続口の高さを合わせられます。そこからチューブで接続し、コロニーが成長したらケース外へ巣を追加していきます。
餌場を作り直すのではなく、同じ餌場を残したまま巣だけを増やせるのが、前身モデルから大きく変更した部分です。
交換式ラウンドケース
大型種レイアウトシリーズのもうひとつの中心になるのが、大型石膏巣フレーム(F-DCbs)です。内部には2つのラウンドケースを取り付けます。
ラウンドケースには、石膏、土、テラコッタなど、性質の異なる巣材を使用できます。
なんで全部石膏にしなかったの?
種類によってどんな営巣環境を好むか違うから、最初からアリ自身に選ばせたかったんだよ。
湿度が違えば好きな場所も変わるってこと?
湿度だけじゃなくて、材質や脚のかかり方、熱の伝わり方なんかでも好みが変わる可能性があるよ。
同じくらい湿っていても、土と石膏で選び方が違うかもしれないんだねっ!
特に飼育情報の少ない海外種では、どのような巣が適しているのか最初から分からないことがあります。海外で適した環境が紹介されていたとしても、日本とは気温や湿度などの条件が違います。
海外の飼育情報をそのまま真似すればいいわけじゃないの?
日本とは温度や湿度が違うから、同じ作り方をしても実際の環境まで同じになるとは限らないんだよ。
それなら実際にアリ自身に選んでもらった方が分かりやすいねっ!
最初から「この種類にはこの巣」とひとつに決めるのではなく、性質の違う環境を複数用意し、アリがどこを営巣場所として使うのか観察することで、その種類に適した飼育環境を探ることができます。
巣材の使い分け
ラウンドケースを交換できるようにした理由は、比較するためだけではありません。アリの選好が分かったあとも、同じフレームの中で構成を自由に変えられるようにしたかったからです。
たとえば石膏と土を入れて試し、石膏を明確に好むのであれば石膏2個に変更することもできます。
好きな巣材が分かったら、全部それに揃えればいいんだねっ!
揃えてもいいけど、違う巣材をそのまま残して使い分けてもらうのもありだよ。
同じコロニーの中でも使い分けることがあるの?
例えば幼虫は石膏側、繭はテラコッタ側みたいに、用途ごとに違う環境を選ぶことも考えられるよ。
それなら2種類の環境を残しておくことにも意味があるんだねっ!
アリが求める環境は、コロニー全体でひとつとは限りません。幼虫、蛹や繭、成虫などによって使う場所が変わる可能性もあり、季節やコロニーの状態によって変化することも考えられます。
そのため、好みが分かったあとに同じ素材へ統一することも、異なる環境をあえて残してアリ自身に使い分けてもらうこともできます。
試して、選ばせて、観察する。そして、その結果に応じて構成を変更する。ラウンドケースを交換式にすることで、この流れを同じフレームのまま続けられるようにしています。
数十〜数百匹までの拡張性
あり巣の製品では、ひとつの商品を特定のコロニーサイズでしか使えなくするのではなく、できるだけ同じ規格のまま長く使えることを重視しています。大型石膏巣フレーム(F-DCbs)も、コロニーの成長に合わせて増設できます。
この巣って何匹くらいまで使えるの?
パラポネラなら、大型石膏巣フレーム1個で40匹くらいを想定してるよ。
増えたらもう1個つなげればいいんだねっ!
そうやって数十匹から数百匹くらいまで、同じ規格で増設していく使い方を想定してるよ。
何千匹や何万匹まで増える種類にも使えるの?
そこまで増える種類なら、横置きリンクスシリーズの方が向いてるよ。
アリの大きさや増え方で使い分けるんだねっ!
大型種レイアウトシリーズは、どんなアリでも無制限に増設するための商品ではありません。パラポネラのように1匹が大きく、数十匹から数百匹規模で飼育する種類を特に想定しています。
一方、オオアリ類など、数千匹から種類によっては数万匹まで増えるコロニーでは、より効率よく巣を追加できる横置きリンクスシリーズが向いています。
多数まで増える種類には横置きリンクスシリーズ。体が大きく、太い通路や大きな餌場を必要とする種類には大型種レイアウトシリーズ。
飼育する種類とコロニー規模に合わせて使い分けます。
石膏交換とフレーム再利用
ラウンドケースを交換式にした理由は、アリに環境を選ばせるためだけではありません。石膏は長期間使用すると、汚れたり、表面が目詰まりしたりします。
そのため、石膏部分は消耗品として交換できる方が使いやすくなります。
石膏が汚れたら巣を全部交換するの?
ラウンドケースだけ交換して、外側のフレームはそのまま再利用できるよ。
汚れるところだけ交換すればいいんだねっ!
遮光カバーと専用台座
大型石膏巣フレームには、専用の遮光カバーも用意しています。巣内を暗くしたい場合に取り付け、観察するときには取り外せます。
ケース外に巣を配置するときには、専用台座を使用できます。
台座は何のためにあるの?
ケースと外置きした巣の接続口の高さを合わせて、チューブをつなぎやすくするためだよ。
外置きするときの高さ調整なんだねっ!
こんな人におすすめ
大型種レイアウトシリーズは、すべてのアリ飼育に必要なものではありません。コンパクトな巣と餌場で満足できるのであれば、その方が場所も取りません。
一方で、パラポネラやキバハリアリ類などの大型ハリアリを飼育したい人、体長4mm以上のアリを広い環境で飼いたい人、大きな餌虫を巣まで運ばせたい人、土や石、流木を使って餌場をレイアウトしたい人、数十匹から数百匹規模まで拡張したい人、飼育情報の少ない海外種に複数の営巣環境を試したい人には向いています。
普通のコンパクトな巣と餌場じゃ物足りない人向けなんだねっ!
広い餌場や太い通路を使って、大型種に合わせた環境を作りたい人向けだね。
レイアウトもアリの行動も楽しめそうっ!
商品ラインナップ
特大レイアウト用ケース(L-DCbs)
大型石膏巣フレーム(F-DCbs)
スターターセット|ケース内設置タイプ
スターターセット|ケース外連結タイプ
ケース内設置タイプ用石膏巣フレーム追加セット
ケース外連結タイプ用石膏巣フレーム追加セット
専用台座|大型石膏巣フレーム(F-DCbs)
遮光カバー|大型石膏巣フレーム(F-DCbs)用
まとめ
大型種レイアウトシリーズは、単純に大きなケースと大きな巣を作ったものではありません。
餌場は広く、乾燥させ、十分に通気する。巣は湿らせ、比較的閉鎖された環境にする。大型種が大きな餌虫を運べるだけの通路を確保する。
複数の巣材を用意して、どこを使うかはアリ自身に選ばせる。好みが分かれば同じ環境に揃えることも、異なる環境を残して使い分けてもらうこともできます。
コロニーが増えたら、今までの設備を捨てずに巣を追加する。
最初から完成形を決めるのではなく、飼育しながらアリに合わせて構成を変えていく。
そのために作ったのが、大型種レイアウトシリーズです。

