皆さんも一度は、アクアリウム、テラリウムのように「~リウム」と後に付けて動植物を飼育する環境を指す言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
蟻飼育においても近い言葉があります。
それが「アリリウム」。
聞いたことはあるでしょうか?
蟻飼育人口はとても少ないと思いますが、その中においても更に少数の人が行う飼育方法や環境に使う造語です。
今回はアリリウムがどんな概念でどんな飼育方法か写真と実例付きでご紹介いたします。
今後流行るかもしれない飼育方法についてこの記事で一緒に勉強していきましょう!
アリリウムとは=自然な環境を再現して飼育すること
従来の飼育方法と何が違う?
従来の飼育方法の主流である石膏巣など思い浮かべると、不要な物は一切なく、密閉した透明の飼育ケースに入っていますよね。
これはアリの巣内の観察性を上げるためです。
それに対してアリリウムとは、蟻の住む環境を疑似的に再現したり、インテリア性を高めた飼育方法やその飼育環境を指します。
試験管や石膏巣の無機質な感じを脱して、自然な感じを目指す飼い方です。
近い言葉には、クワガタを飼育する「クワリウム」なんて言葉も聞きますね!
アリリウムでは、観察する対象、場所も違います。
石膏巣など人工巣での飼育=巣内の子育てなど【巣内】観察を主目的にする。
アリリウム=【巣外】の活動を観察の主目的にする。
環境を再現したアリリウムでは、アリが自由に巣を拡げたりしますので、「こんな場所に巣口が増えた」「ここの空間に営巣した」など日々、変化するアリの巣が観察できます。
アリリウム作る時には何が使われる?
アリリウムを作る際に主に使われるものを一覧にしました。
底床 | 土、砂、ソイル |
レイアウト | 流木、石 |
植物 | コケが多い |
ケース | 大型の物はガラス水槽、小さなものはクリアケース |
アリリウムの原型
アリリウムは新しい飼育スタイルですが、飼育者を見ていると、この方法には元となった二つの原型があるようです。
土飼育からの発展
旧来の土飼育からの発展。
土でアリ飼育をしていた人がレイアウトに凝っていくパターンです。
アリ飼育の原点回帰とも言える飼い方で、土や砂を主体に土を掘らせて巣の内部の様子も楽しむことができるようです。
流木や石などのレイアウト用品が安く簡単に手に入るようになったから、土飼育も見直されているのかもしれませんね。
テラリウムやコケリウムからの派生
アリ以外の動植物など別の「~リウム」経験者がスキルを蟻に転用していくパターンです。
主に植物と蟻の共生を目指してレイアウトがされます。
コケやその他植物を流木などと共にレイアウトされるため、巣内の観察よりも「植物のある空間に蟻がいる」事に重点が置かれています。
そのため、生体は加湿環境を好む種が選ばれる事が多いようです。
今がまさにアリリウムの黎明期。
上の二つの原型が融合しつつあり、皆がそれぞれ手探りでアリリウムに挑戦しているようです。
飼育の実例
ここからアリリウムの飼育例としていくつか写真付きで紹介いたします。
写真や飼育方法などは読者の方より掲載許可を頂戴しました。
ありがとうございます!
飼育例1.オオハリアリ
オオハリアリなどツルツルの壁面を登れないハリアリ系などでアリリウムを作るときは上部を開放した飼育ケースを使用できます。
飼育種 | オオハリアリ |
構成品 | ソイル、石、コケ等 |
特徴 | ハリアリ系が壁面を登る事が苦手なのでフタをせずに霧吹きなど管理がしやすい |
オオハリアリも土を積み上げて脱走する事があるみたいだから注意も必要だね
飼育例2.トゲアリ
飼育種 | トゲアリ |
構成品 | 砂、流木、コケ等 |
特徴 | ・トゲアリが自然で営巣する環境を再現するために内部が空洞の流木を使用。 ・通気性アップのためにケースの一部をメッシュにしている。 |
ライトアップまでされててオシャレ!!
トゲアリは木の洞に住むからぴったりだね!
飼育例3.クロヤマアリ
飼育種 | クロヤマアリ |
構成品 | 砂、流木、コケ等 |
特徴 | ・巣を掘る様子を側面から見られる ・脱走防止のため下のケースに水を溜めている。 |
水で囲んで脱走防止は名案かも!?
砂だけだと少し寂しいけどちょっとレイアウトするだけでカッコいいね!
飼育例4.ムネアカオオアリ
飼育種 | ムネアカオオアリ |
構成品 | ソイル、流木、コケ、ベゴニア |
特徴 | ・ムネアカオオアリの好む環境を目指して湿った流木を用意 |
これは作るのに時間かかっただろうなぁー
管理するには蟻だけじゃなくて植物の知識も必要そうだね
まとめ
自然環境を再現した新しい蟻の飼育スタイル「アリリウム」。
部屋の片隅に自然環境を切り取ったような空間があると思うと素敵ですね!
もし、これを見て興味が湧いたという方がおられたら、挑戦してみてはいかがでしょうか?
感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitterでお知らせ頂ければ嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。