小型二層巣は、アリが生活する場所と、水を保つ場所を上下に分けた初期コロニー用の巣です。
あり巣 in undergroundでは、床の濡れにくさと、上から観察・手入れしやすい構造を組み合わせました。

上の生活エリアと下の保水エリアを分けています。
- 生活面が濡れにくい、上下に分かれた保水構造。
- 上面は平面ガラスで、観察や撮影がしやすい。
- 蓋の縁を利用して積み重ねられる。
- 完全湿潤が必要な種類と、横置きリンクスへの直接接続には不向き。
3方式の選び分けの中で、小型二層巣を候補にした方へ、構造と日々の扱い方を詳しく紹介します。
生活エリアの下に置いた保水層

どこにアリが入り、どこに水を保つかが分かります。
試験管セパレーターv2やパイプセパレーターは、生活エリアの横に保水部を持ちます。
小型二層巣では、その保水部を下へ移しました。
3方式の中で唯一、生活エリアの下に独立した保水エリアを持つ構造です。
横から水を保持する構造ではなく、下側のケースに水を保つため、サイドから水漏れしにくくなっています。
パッキンで水を無理に封じ込める方式ではありません。
軽石を入れた保水層へ給水すると、巣層のメッシュを通して加湿されます。
透明な下部ケースから水の状態が見えるため、給水時にも確認できます。

軽石を入れた透明なケースが生活面の下にあります。

生活する床と、水を保つ場所を分けているんだね?

そう、下に水を持たせて、生活面が濡れにくい構造にしているんだ。
湿度を上げすぎない設計と対象種

下の保水層から加湿する部分と、生活する床の位置関係です。
あり巣 in undergroundでの観察では、現行仕様の最も湿る奥側でも、湿度はおおむね80%程度です。
これは観察した環境での目安であり、どの環境でも同じ湿度になるという意味ではありません。
湿度レベル5の完全湿潤が必要な種類には、小型二層巣を選ばないでください。
メッシュの面積を増やして湿度を高める可能性も検討しましたが、アリの足元が金属になる部分が増えるため、採用しませんでした。
海外の大型クロナガアリ系、たとえばセファロタス、バルバルス、キャピタトゥスなどとは相性がよい構造です。
これらはある程度の乾燥耐性があり、貯蔵した種が発芽しにくいことも利点です。
同じクロナガアリ系でも、国産クロナガアリは乾燥に弱く、湿度レベル5として扱います。
小型二層巣は使わず、体も小さいため試験管セパレーターv2を選ぶ方針です。
平面ガラスと上から開けられる蓋
上面は平面ガラスです。
プラスチックより傷が付きにくく、円筒形の試験管と比べて、写真の歪みや反射を抑えやすい形になっています。
上から蓋を開けられるため、分解もしやすい構造です。
生体がいる状態で開けるときは、脱走に注意して扱ってください。
内部には高さがありますが、「高いほどアリにとってよい」という設計ではありません。
小型種では空間が広すぎて、落ち着きにくくなる可能性があります。
蓋の縁を使った積み重ね


上部がフラットで、蓋に縁があるため、小型二層巣同士を積み重ねて管理できます。
複数の初期コロニーをまとめる場合に役立つ構造です。
移動するときは、蓋だけを持たず、本体と下側のクリアケースを持ってください。
3Dプリンター製の部品には個体差があり、蓋を持つと外れやすいものがあります。

重ねたまま、上の蓋を持って運んでもいいの?

蓋だけでは支えず、本体と下側のケースを持って扱ってね。
通路幅と接続口の高さ

接続規格と、接続先の高さは分けて確認します。
内部通路幅は約8mmです。
試験管セパレーターv2より大型種に対応できますが、女王アリも通路を通れることが条件です。
ズアカオオアリ級が1つの目安で、体長だけでなく体幅や体型も関係します。
「体長20mm以下なら必ず使える」という選び方はできません。
通過できるか分からない場合は、適合を決めつけずに確認してください。
接続口は自在継手v2と同規格です。
ただし、規格が同じことと、巣口の高さが合うことは別です。
小型二層巣は下部保水層の高さによって、接続口が横置きリンクスより高い位置にあります。
試験管やパイプのように低い側へスペーサーを入れて合わせる方法が使いにくく、接続性は弱点です。
横置きリンクスへ、そのまま水平に連結できる前提では選ばないでください。

同じ継手が使えても、並べる高さまでは同じではないんだね?

そう、水を下に持たせた分、接続口の高さを合わせにくいんだ。
日々の給水と床が濡れたときの対応

下側の保水層へ給水し、透明なケースから水の状態を確認します。
- 給水口から下側の保水層へ給水し、透明なケースから水の状態を確認する。
- 巣への加湿とは別に、アリが直接飲む水を用意する。
- 結露などで床が濡れた場合は、生体を別の巣やケースへ避難させる。
- 蓋を外して乾かし、床が濡れたまま使い続けない。
生活面が濡れにくい構造でも、絶対に濡れないわけではありません。
水の量を増やすことで、湿度レベル5向けの巣に変えられるものとして扱わないでください。
本体とスターターセットの選び方

外寸は約94×36×45mmです。
- 本体サイズ:約94×36×45mm。
- 最大収容数の目安:約50匹(クロオオアリ換算)。
- 内部通路幅:約8mm。
すでに給餌用品を持っている場合は、単品の小型二層巣から構成できます。
これから揃える場合は、給餌用品を組み合わせたスターターセットを確認してください。
選ぶセットによって内容が変わるため、注文時の商品写真と選択欄で確認してください。
セット写真は、付属する道具の違いだけでなく、給餌・給水する場所と巣とのつなぎ方を見るためのものです。
飼育キャップセット

写真では継手とキャップの取り付け位置を示しています。
自在継手セット

外付けの飲み水と給餌場所の配置を確認できます。
エサ場セット

給餌用品を置く場所を、巣の外側へ分けています。
プレミアムエサ場セット

巣口の高さが違うため、接続用の高さ変換部品を含むセット内容を確認してください。
遮光カバーはオプションで選べます。
新女王や初期コロニーでは、遮光カバーの使用をおすすめしています。
遮光カバーと保護シート

巣本体と、オプションのカバーを区別して確認します。

ほかの初期巣との選び分け
小型二層巣は、試験管セパレーターv2の上位モデルではありません。
下部保水層や平面ガラス、積み重ねやすさを選ぶ一方で、完全湿潤への対応や接続口の高さには制約があります。
3方式を比較する「初期コロニーの巣の選び方」では、アリの大きさ・湿度・通気などの条件から候補を絞り込めます。


