・手ごろでおすすめの電動の吸虫管を知りたいです。
・手持ちのハンドクリーナーって吸虫管として使えないの?
・口で吸うタイプの吸虫管は不衛生な感じがするので、抵抗があります。
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
アリ採集をするときには、みなさんどのような道具を使っていますか?
新女王の採集は、小さなケースがあれば十分ですが、コロニー採集となるとまとめて採集できるアイテムが欲しくなるところ。
そんな気持ちをわたし自身が抱いていたので製作、販売しているのが「あり巣ガン」です。
今回の記事では、わたしが実際にアリ採集やエサ場の掃除の時に使っている自作アイテム「あり巣ガン」をご紹介します。
「あり巣ガン」は2024年7月にフルモデルチェンジしましたっ!!
適合するクリーナーが変わり、機能性がアップしています。
どうぞよろしくお願いいたしますっ!!
従来の吸虫管の問題点
これまでは小さな虫を採集する道具としては、「口で吸う」吸虫管が一般的でした。
口で吸う吸虫管は手軽で安価、そして自作も簡単です。
ですが、口で吸う吸虫管については
- 不衛生な感じがして苦手
- 蟻酸を吸い込むと苦しい
- 採集後のアリを取り扱うのが難しい(移し替え時に脱走する)
- 少ししか吸えないのでコロニー採集に向かない
と言った声をアリ飼育者から、多く聞くことがありました。
また、この後紹介する「あり巣ガン」の製作、販売に先立って、海外で製造、販売されている安価な電動吸虫管を輸入して販売を検討したこともありますが、
- 採集後のアリを取り扱うのが難しい(移し替え時に脱走する)
- 乾電池式で予備の乾電池を持ち歩くのが面倒
- アリをためるボックスが小さすぎて大コロニー採集に向かない
このような感想を実際に使用した時に抱きました。
安価なのでお試しに使うのは良かったのですが、自分たちで輸入して販売する気持ちにまでは至らなかったというのが正直な気持ちです。
ネットでも最近売られている、電動吸虫管として売っているものを幾つか試したことがあるよ。
具体的な商品は伏せるけどあんまりお勧めしたいとは思わない商品だったから輸入販売することは諦めて「あり巣ガン」を考案しました。
あり巣ガンとは
あり巣ガン = 小型掃除機を電動吸虫管に転用するアタッチメント
今回、おすすめ採集アイテムとしてご紹介する商品は、あり巣 in undergroundで販売している「あり巣ガン|電動吸虫管アタッチメント」です。
あり巣ガンは、手持ちの小型掃除機を電動吸虫管に転用するアタッチメントです。
吸引する掃除機は別途用意、または手持ちのものがあればそれを使用します。
最近の小型クリーナーは、「小型」「軽量」「充電式」「安価」ととても優れた商品が多くあります。
適した小型掃除機を選定すれば安価で機能性が高い「電動吸虫管」を手に入れることができますよ!
そのままではアリを回収するために使えない掃除機ですが、採集、飼育用品に生まれ変わらせるアタッチメントが「あり巣ガン」です。
あり巣ガンの特徴
ここからは「あり巣ガン」の特徴をいくつかご紹介します。
サイクロン分離で蟻をボトル内にためる
あり巣ガンは、ボトルやホースなどのとても簡単なパーツ構成でできています。
ですが、その単純な部品の組み合わせでも内部には微弱なサイクロン気流を生み出しており、蟻がクリーナー部分に吸い込まれづらくなっています。
下記の動画をご覧ください。
ボトル内でサイクロン気流が巻き起こっているのがお分かり頂けると思います。
2024年7月にモデルチェンジしてバージョンアップしました!
サイクロン気流発生部は、3Dプリントで製作し、機能性向上しています!!
あり巣ガンを電動吸虫管として使用するにあたって考えたポイントは、あえて微弱なサイクロン気流にしている所です。
ホースの取り付け箇所や部品構成を変えることでサイクロン気流による分離機能はもっと強化可能です。
ですが、強すぎるサイクロン気流は遠心力でアリがボトルの壁に打ち続けられます。
それは、せっかく採集した蟻を弱らせることにつながります。
なので、市販のサイクロン掃除機をそのままアリの採集に使用するのは不向きと言えるのです。
外観
あり巣ガンは、透明なボトルに透明なホースが刺さった見た目をしています。
ボトルにはクリーナーと接続するため、ステンレスフィルター付きのジョイントパーツが付いています。
ボトル内のホース終端は、オリジナルのサイクロン気流発生パーツです。
サイズ
あり巣ガンにおすすめの小型掃除機
あり巣ガン対応の小型掃除機
USB充電での手持ち掃除機です。
ノズルやダストボックスなどがついてきますが、本体の吸引部のみ使用します。
⚠本記事に載っているハンドクリーナーもモデルチェンジ等で寸法が変更になり、着用できない場合がありますので、ご注意ください。
適合する寸法などの情報は執筆時点(2024年7月)のものです。
・どのクリーナーを選んだら良いかわからない・・・
・別々に購入するの面倒だなぁ・・・
そんな人には、「クリーナー付きセット」もご用意しています。
クリーナー付きセットなら迷うことないね!!
(しっかりした保証を求められるならAmazonでの購入もおすすめです。)
あり巣ガンの使用方法
小型掃除機に装着する
手元にある小型掃除機の純正ダストボックスを外して、「あり巣ガン」と交換します。
一度目の装着時は、やや硬いと思いますが掃除機を回してはめ込むだけなので簡単に装着可能です。
ホースの飛び出し量を決める
ボトル内部に見えるサイクロン気流発生部は、ボトルの中心より下で使います。
ホース終端がボトル中心辺りになるまでホースを引き出し、長いと感じたら好みの長さにハサミでカットしてください。
あわせて、先端も使いやすい角度でカットしてください。
色々書いてるけど、一度使えば感覚的にわかると思います!
タルクを吸う
アリを採集する前に下準備として、あり巣ガンに付属のタルクまたはベビーパウダーを少量あり巣ガンで吸い込みます。
すると内部のサイクロン気流で、ボトル内全体にまんべんなくタルクを付着させることができます。
タルクがボトル内に付着していると吸引した蟻が登れなくなるよっ!!
超便利っ!!!!
付属のタルクがなくなった場合は下記の商品をおすすめいたします。
アリを実際に吸う
あとは掃除機の電源ボタンを入れてアリを吸い込みます。
下の画像は引っ越しをするときに「あり巣ガン」を使用して回収したアリの様子です。
アリはボトルの下部にたまって、タルクで滑って上部まで登ってくることができません。
引っ越し方法については別記事に詳細がありますので、ご覧ください。
下の動画はエサ場の掃除を想定して「あり巣ガン」を使用したデモンストレーションです。
※実際にわたしが普段使いしている道具で撮影したので、汚れているのはご容赦を。
乾いたゴミには効果絶大。
そもそも採集時のアリへのダメージを考えて作ったものですので、エサ場にいるアリを吸い込んでも後で取り出せば問題ありません。
エサ場の掃除方法については別記事に詳細がありますので、ご覧ください。
ベストワームの床材清掃デモ
アリの生餌としておすすめする生餌のひとつ、ベストワームの床材交換時に邪魔になる脱皮殻のみを回収します。
床材としているフスマの多くを吸わずに脱皮殻だけを回収可能です。
脱皮殻を回収したら、その後は床材をザルに通せば糞等は下に落ちて一定以上の大きさのフスマとベストワームのみ残ります。 簡単に床材交換が可能です。
ミルワームにも同様の使い方ができるよっ!
屋外でのアリ採集時だけじゃなくて、引っ越しやエサ場の掃除の時にも使えるから一つは欲しいアイテム。
それが「あり巣ガン」です!
回収したものを取り出す
アリやゴミを回収したら、ボトル部分を回してフタを開けます。
そのままアリやゴミを別容器に移しましょう。
掃除機とあり巣ガンのジョイントパーツは取り付けたままで問題ありません。
狭い場所の吸引にはアタッチメントが便利
アリの引っ越しの時や採集時など、狭い場所を吸うにはチューブ径を細くするための専用アタッチメントが便利です。
外径10×内径8mmチューブ対応のアタッチメントがセットで付属しますので、状況に合わせてお使いください。
まとめ
アリ飼育、採集アイテムとしてあると便利な「あり巣ガン」をご紹介しました。
あり巣ガンについて改めてまとめておきます。
あり巣ガンのココがすごい!
【5つのポイント】
- 「採集」「引っ越し」「掃除」と一台で三役の便利な用途
- 内部にサイクロン気流を発生させてアリをクリーナー部分に吸い込みづらい
- サイクロン気流は蟻のことを考え、あえて弱めになるように設計している
- 掃除機をあわせても数千円で高機能の電動吸虫管が手に入る
- たっぷり収容できるのにシンプルな造りでローコスト
世の中にこれまであった吸虫管は、不衛生だったり、高価だったり、乾電池式だったり、採集したアリの取り扱いが面倒だったり、とわたしの好みには合わず、使用感も満足できるものではありませんでした。
なので、わたしは「ほしいものは自分で作る」と単純に考えて「あり巣ガン」なる電動吸虫管用アタッチメントを製作しました。
試作もあわせれば、10パターン以上作った結果が現行モデルの「あり巣ガン」になっていますので、単純な構造ながらアリと飼育者を徹底的に考えた仕様になっています。
興味のある方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
製作者として自信をもって販売している一品です!
「あり巣ガン」をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。