飼育しているアリを新しい巣に引っ越しさせたいんだけど、どうしたらいいんだろう・・・。
こんな困りごとを本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。
常に数十コロニーのアリの飼育をしつつ、アリの巣を作っています!
この記事でわかること
- アリを引っ越しさせる方法【2つ】
アリを引っ越しさせるのはこんな時
アリ飼育において引っ越しを行うのはどんな時でしょうか?
一つずつ見ていきましょう。
巣が汚れてきた
長く使っているとアリの排泄物などで巣内の汚れが目立ってきます。
石膏巣は特にもともとの色が白ですので、黒ずんだ排泄物の汚れが観察の際に気になる方が多いようです。
わたしも石膏巣の汚れが気になるので、半年から1年くらいで新しい巣に交換しちゃうね!
巣内に蟻にとって良くない物がある
カビや食べ残しが腐敗したものなど、アリの健康を害するものがある場合です。
コロニー規模に対して大きすぎる巣を使ったり、コロニーの調子が崩れた時に蟻の巣内の管理が行き届かず、起こります。
アリのためにも新しい巣を用意して引っ越しさせましょう!
巣が狭くなった
順調にアリを飼育できているとコロニー規模は年々大きくなります。
元々の巣では手狭になった場合、大きな巣に引っ越す場面もありますね!
アリを引っ越しさせる方法
アリ自身に引っ越ししてもらう
アリは自分たちのより良い好みの環境に引っ越す習性があります。
なので、飼育下においてもその習性を利用します。
例)石膏巣同士の場合、新巣のみ給水、遮光します。
旧巣は時間と共に乾いていき、暗く加湿された快適な環境を好むアリは自ら引っ越しをします。
実際にこの石膏巣でクロオオアリの引っ越しをしてみました。
一緒にやり方を勉強しましょう!
引っ越し元の旧巣と引っ越し先の新巣を連結します。
写真下が新しい巣です。
新居となる新しい巣のみ遮光と給水をして、クロオオアリの好む環境にします。
時間が経つと新しい巣にアリが引越しします。
卵や幼虫も自分たちで新居に運び込んでいます。
とても賢いですね!!
アリ自身に引っ越ししてもらうこの方法のメリットは、蟻が新巣を気に入らなければ旧巣に留まれるので生体への負荷が少ないことです。
対してデメリットは、引っ越し完了まで長いと一か月以上時間がかかる場合があること。そして、新旧両方の巣を使う場合があることです。
また、そもそも新旧の巣に環境の変化が大きくつけられない、好みの環境を用意できない場合、引っ越しをしない可能性もあります。
人間の手で強制的に引っ越しさせる
新居に短時間で引越しさせたい場合は、飼育者が強制的に引っ越しさせることもできます。
このディスプレイセットでアメイロオオアリを飼育していたのですが、数が増えて手狭になってきました。
増設も限界なので、大きな木材石膏巣に引っ越しさせます!
まずは、大き目のタッパーやプラケースにベビーパウダー(タルク)を塗ります。
引っ越し元の古巣を分解し、プラケースの中に蟻を放します。
先程のベビーパウダーはここでアリが壁を登れないようにするための脱走対策です。
プラケース内のアリを回収します。
筆やピンセットでは大変だと思うので、電動吸虫管がおすすめです。
電動吸虫管(あり巣ガン)で回収したアメイロオオアリ。
優しく回収できるのでアリを傷つけることがありません。
続いて、引っ越し先と連結した餌場に蟻を落とします。
この時、蟻にダメージを与えないよう、筆などで優しく移動させます。
その後、新たな巣を蟻が気に入れば数時間~1日で引越しします。
人間が引越しを強制的に行うメリットは、短時間で引越しを完了できることです。
対してデメリットは、蟻を傷つける可能性がある、脱走させる可能性がある、手などに登って来られるため、刺されたり咬まれたりすることでしょう。
わたしは9割以上はこっちの方法だね!
準備をしっかりして、焦らずできれば簡単だよ!
まとめ
今回は、飼育下でのアリの引っ越しについてまとめました。
アリを飼育していると必ず来る引っ越し。
新しい巣や道具など、準備をしっかりしておけば焦ることなくできると思います。
アリをできるだけキレイな巣で飼ってあげたいですね!
その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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