・飼育しやすくて肉食性の強い種類っていないの?
・加温なしで冬場も飼育を楽しみたいな
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。
100種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!
冬に加温もせずに活動し、動きもゆっくりで飼育しやすい種類がいます。
今日は、そんなアシナガアリについてご紹介しますね!
この記事でわかること
- アシナガアリってどんなアリ?
- アシナガアリの飼育方法
- アシナガアリの販売先
アシナガアリってどんなアリ?
(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
アシナガアリは、中型のアシナガアリ属のアリです。
動きはゆっくりとしており、歩くスピードが遅いので観察しやすく、飼育においては扱いやすい種類と言えます。
近縁種の「ヤマトアシナガアリ」と比べると体格は大きく、脚が長い印象です。
体色は全体的に褐色でアシナガアリの方がやや暗い感じを受けます。
色合いは個体差が大きいよ!
生息環境と分布
北海道~九州まで全国に広く分布します。
国外では朝鮮半島や中国の一部にも生息します。
比較的、緑が残る場所や林縁部で見ることができます。
主な営巣場所は土中、石の下ですが、まれにボロボロになった朽木の中でも見ることができます。
湿った感じの林にいる種類ですね!
体長
体長 | 備考 | |
女王 | 約9mm | |
ワーカー | 3.5~8mm |
女王の体長は、約9mm。
ワーカーは一定の形態をしていますが、個体ごとにサイズが大きく異なります。
コロニーの発展と共に大きなワーカーが発生してくるでしょう。
女王もワーカーもお腹を下げているのが基本姿勢なので、上から見ると実際の体長よりやや小さく見えるかもしれません。
お腹を下げて歩くから上から写真を撮ると途中で半分になってるみたいだね!
単雌 or 多雌 ?
アシナガアリは単雌性です。
一匹の女王を中心にコロニーが形成されます。
一般的な単雌性の種類ですね!
アシナガアリの飼育方法
ここからはアシナガアリの飼育方法について解説していきます。
一緒に勉強していきましょう!
エサについて
アシナガアリは肉食性が強いので、肉餌を主食としてあたえましょう。
狩りをするというより屍肉食が強い種類ですので、エサの好みはあまりうるさくありません。
人工的な粉末餌でも食べてくれる飼育がしやすい種類です。
ただし、腹部に貯められるエサの量が少ないようで、エサ切れにはやや弱い印象があります。
アズマオオズアリなどのオオズアリの仲間ほどではありませんが、その点は注意しましょう。
できるだけ高頻度(週に2~3回以上)でエサをあたえることがコロニー発展のコツです。
生餌のおすすめとしては、シロアリ=ショウジョウバエ>レッドローチ=ミルワームです。
蜜には好みがありますが、与えると飲むので肉餌と共に与えてあげましょう。
肉食性の強い種類も好むような総合食(蜜+たんぱく源)を開発しました!
嗜好性には絶対の自信がありますので、記事をのぞいてみてください!
高タンパク配合の総合食ですべてのアリにおすすめなのが、最高のアリのエサを自負するのが「スイーツパウダーpro」です。
既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。
使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。
その他、蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。
おすすめの巣のタイプ
アシナガアリにおすすめの巣のタイプは「石膏」「3Dプリント」「試験管」です。
湿った林内の土中に営巣する種類です。
巣内も湿っているので、飼育時は強めに加湿できる巣がいいでしょう。
ただし、肉食性のアリには積極的に昆虫を与えるので、腐敗した際のアンモニアなどがこもらないよう、餌場の通気は必ず確保してください。
メッシュ付きのエサ場をおすすめいたします。
さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。
「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「強く多湿を好む」です。
「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。
以上から、ここでは「石膏巣」や「3Dプリント巣」をベストとして、次点で「試験管巣」をおすすめさせて頂きます。
多湿に強いおすすめの3Dプリンター巣
平型石膏の作り方は下記の記事に詳細があります。
加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。
飼育の適正温度
国内普通種ですので、基本は常温で問題ありません。
ただし、夏場は30℃を超えないように注意が必要です。
また寒冷地でも見られるため、耐寒性が高い種類です。
冬場は常時5℃を下回るような環境でなければ加温は不要です。
冬眠はする?越冬の方法は?
アシナガアリは、飼育下では冬眠をしない種類です。
厳寒地の野生下では仮死状態で冬越しをしていると採集者の方から聞いたことがありますが、わたしの飼育環境においては冬に活性が落ちるものの細々と採餌と子育てをしていました。
加温無しでも年中飼育を楽しめる稀有な種類ですね!
わたしの飼育環境は冬場の室温が5℃~15℃程度です。
朝方でも室温が5℃を下回ることがないので活動可能なのかもしれませんね!
アシナガアリの入手方法
結婚飛行の時期に新女王を採集する
一般的に7月頃が結婚飛行のシーズンです。
生息地では、晴れた暖かく風の弱い日に一斉に飛び立った新女王を採集できる可能性があります。
羽付きの女王は未交尾の可能性がありますので、路上で羽を落とした女王を見つけたら採集してみましょう!
新女王採集については別記事がありますので、ご覧ください。
コロニーごと採集をする
生息地を知っているならコロニー採集を試みてもいいでしょう。
林縁の「石の下」などの中を探すと見つけることができます。
コロニー採集には電動吸虫管アタッチメントの「あり巣ガン」がおすすめです!
使用のデモや使い方を詳しく説明しています。
ただし、採集時にはルール、注意点は守りましょう。
採集時の注意
- 許可なく私有地で採集してはいけない
- 公共の公園などでも採集禁止場所は多いので、必ず調べる
- 朽木や竹を割ったら人の往来のある場所に放置しない
- 安全に注意して怪我のないよう行う
わたしの住む愛知県西部の緑地公園は、採集禁止の場所がとても多い地域です。
自由に出入りできる公共の場、公園であっても、それぞれの場所のルールがあるので調べてみましょう。
わたしは私有地の山に行くときは、土地の所有者の許諾を得てアリ採集していますよ!
アシナガアリの販売先
国内種は、下記にて販売しています。
新女王とコロニーの違いなど、販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!
(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
まとめ
今回は、国内種のアシナガアリについてご紹介いたしました。
ゆっくりな動き、肉エサの好き嫌いが少ない、年中飼育を楽しめるという初心者にもおすすめできる生体です。
飼育に際しては、エサ切れには弱いので3日に1回以上のエサやりをするとたくさん増えてくれます。
また、巣は多湿を心掛けてください。
この記事がアシナガアリの飼育に役立てばうれしく思います。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。