自分でも簡単にアリの巣を作ってみたいな。
手順と材料を詳しく知りたい!
こんな困りごとを本記事では解決します。
今回の記事では、あり巣 in undergroundで販売している下記の平型石膏巣の作り方を説明していきます。
この記事を最後まで読めば、販売できるクオリティの平型石膏巣が作れるようになります。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。
これまでにアリの飼育用品を1万個以上つくった中で得たコツなどを書いています。
平型石膏巣とは?
国内のアリ飼育において最も普及している巣のタイプが石膏巣です。
その中でもクリアケースに石膏を流し込み、上から見るタイプのものが「平型」と呼ばれます。
ケースの横にエサ場や増設用の巣にホースでつなぐための穴をあけることが一般的ですね。
平型石膏巣は、多くのアリ販売店で販売されていますし、自作する方も多い人気の高いタイプのアリの巣です。
平型石膏巣のメリット
平型石膏巣のメリット
- 材料が少なく、安価で作れる
- 加工難易度が低い
- 必要な工具はドリルだけ
平型石膏巣は、上記のように作るのが簡単、必要な工具が少ない、安価と自作にピッタリのアリの巣です。
今回は、実際に販売しているこのアリの巣を作る手順を説明するよ!
平型石膏巣に必要な材料
クリアケース
「あり巣 in underground」でサイズと価格を見る
今回は、この四角形のポリスチレン製クリアケースを使用します。
その他、平型石膏巣を作る時におすすめのクリアケースは別記事でまとめています。
ご覧ください。
石膏
石膏は簡単に手に入る物で大丈夫です。
石膏の種類によって硬さに違いがありますが、高価な硬い石膏を使っても掘られる時は掘られます。
それならばいっそ石膏巣は消耗品として割り切って、汚れたり掘られたりしたら、新しい物を使う方がおすすめです。
また、平型石膏巣は大量には石膏を使いません。
数多く作ったり、他に使用する予定がなければ1~2㎏の小さな袋で十分でしょう。
石膏巣は汚れによって目詰まりして給水量が下がったら交換するくらいがベストです!
消耗品として考えて使うことをおすすめします!
抜け止めゴムリング
抜け止めゴムリングは無くても作れますが、ビニールホースが不意に外れることを防ぎます。
また、使うと断然ホースの接触面積が増えますので安定してホースを保持します。
ダボ
石膏をケースに流し込む時の埋め栓として使用します。
飾り石
アリは凹凸や狭い隙間を好むため、石膏に埋め込むオブジェクトとして使用します。
石を使うのは、より自然に近づけるためと水に強いためです。
シリコン栓
普段は使わない給水穴を封印するための埋め栓として使用します。
平型石膏巣を作る
ここからいよいよ平型石膏巣を作っていきます。
クリアケースに穴をあける
クリアケースに穴をあけるには電動ドリルとドリルビットが必要です。
おすすめのドリル刃は別記事に詳細がありますので、ご覧ください。
側面に穴をあける
まずは、クリアケースの側面に穴をあけるためにマジックペンで穴位置を書きます。
穴高さが低すぎると石膏を流し込める量が少なくなります。
市販のエサ場と合わせるなら、穴位置の中心は10~20mm程度の高さが良いでしょう。
次に印をつけた場所にドリルを当てて穴あけします。
穴のサイズは10mm。
側面の穴の用途は、「エサ場」や別の「増設用の巣」への連結用です。
増設用を考える場合、2ヶ所に穴あけする場合もありますが、わたしは一つしか穴あけしないことが多いです。
分岐が必要な場合は、下記の十字継手やT字継手を使っています。
加工が楽なのに加え、自由度が高いからです。
抜け止めゴムリングを穴に取り付ける
10mmで穴あけしたところには、ホースの脱落防止のため、抜け止めゴムリングをはめます。
以前にTwitterでアンケートを取ったところ、アリの巣作りの穴あけの時に困ることは、「ホースがすぐに外れてしまう」が一番みなさんの困りごとのようでした。
これを解決する方法の一つが抜け止めゴムリングです。
抜け止めゴムリングをはめることで、外径8mmのホースがピッタリ取付け可能です。
中身の入った石膏巣でも、ホースで持ち上げても外れないくらい抜けづらくなります。
ですが、決してキツイわけではありません。
接触面積を増やすことでくっつくような感じです。
抜け止めゴムリングを取り付けることで、ホースが簡単に抜けなくなるのでオススメですよ!
穴のフチの欠けなども隠せるので、見た目の面でも取り付けをおすすめします。
機能性と美観を向上させて、販売用に耐えられるクオリティにUP!!
上面に穴をあける
次にフタに3mmの穴をあけます。
位置は隅の方なら好きな位置でいいでしょう。
上面に穴あけする目的は、シリンジで給水するためです。
普段、この穴はアリが脱走しないようにシリコン栓で埋めておきます。
側面にあけた穴をふさぐ
側面にあけた穴に木ダボで封印します。
次に石膏を流し込むので側面の穴から、石膏が流れ出ないようにするためです。
石膏を水で溶かす
ケースに石膏を流し込むために水で溶きます。
粉の塊が消えるまでしっかりと溶かしましょう。
この時の水分量は使用する石膏の説明書きに従ってください。
水っぽい方が流し入れやすいのですが、水を多くしすぎると上手く固まらない場合があります。
クリアケースに石膏を流し込む
水で溶いた石膏を用意しているクリアケースに流し入れます。
石膏の量はたくさん入れたほうが吸水量が多くなり、給水間隔を伸ばすことができます。
ただし、木ダボが埋まりきるほどいれてしまうとアリが出入りする穴も埋まってしまうので注意してください。
石膏を完全に平にしたい場合は、床に「トントン」とケースを当てることで、石膏が広がります。
また、振動を与えると石膏内の気泡も抜けやすくなります。
飾り石を配置する
石膏が固まる前に飾り石を配置します。
平面の石膏巣では、アリが落ち着かず四隅に固まりますが、石などで凹凸を作ることでアリの居心地が増します。
また、繭や幼虫を離せるため、アリがその時の巣内の環境、湿度によって石の上に退避することもあります。
特に給水しすぎて卵や幼虫、繭が水没するようなときは、巣内に水を吸わない石の高台があることで逃げ場となり得ます。
飾り石などのオブジェクトを置くメリット
- 凹凸ができて表面積が増え、アリの生活スペースが増える
- 狭い場所を好むアリが隙間で生活できる
- 幼虫や卵、繭の水没からの逃げ場になる
乾燥させる
作り終えたらフタをあけた状態で乾燥と硬化を待ちます。
使用までに1週間も置けば十分です。
側面の穴を封印していた木ダボは、石膏が完全に硬化すると抜けづらくなります。
石膏を流し込んでから30分~1時間程度の半硬化の状態で引き抜きましょう。
完成
石膏が乾いて硬化したら、あとは使用するだけです。
給水して、アリを引っ越しさせましょう。
引っ越し方法については、別記事に詳細がありますので、ご覧ください。
使用時には、エサ場もビニールホースでつなげると使い勝手が良いですね。
まとめ
今回の記事では、最も一般的な平型石膏巣を作りました。
わたしが作り、販売しているアリの巣の作り方ですので、参考にしていただければ幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitterでお知らせ頂ければ嬉しいです!
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