アリの巣のクリアケースを考える【5つの素材を比較】

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工具と加工方法

石膏巣を始めとするアリの巣を作る時に便利な透明なプラスチックケース。

アリの巣製作用という用途のクリアケースは販売されていないので、我々アリ飼育者は、様々なクリアケースを調達してアリの巣に転用していますね。


100円ショップなど実店舗で買う時は、実際に手に取り、使えるか使えないかを判断していると思います。
しかし、ネットショップを利用して購入する場合、

  • このケースの透明度はどうだろう?
  • 穴あけが上手くできるかな?

こんな心配が頭をよぎる時があります。


プラスチックは様々な種類があり、透明度や硬さなど物性がバラバラです。


そこで今回は、アリの巣に使うクリアケースを選ぶ時の基準の1つとして、代表的なプラスチックの種類を挙げて説明をしていきます。

それぞれに穴あけした写真もあるのでアリ飼育ケースを作るときの参考になれば幸いです。

本記事を読めば、ネットでクリアケースを買う時購入の手助けになるはずです!

クリアケースはなんでアリの巣のケースに向いてるの?

クリアケースがそもそもアリの巣にはなぜ使われるのでしょう?

それはアリの巣を自作するにあたって、以下のような利点があるからです。

  • 透明度が高い物は観察性に優れる
  • 錆びない
  • 軽い
  • 腐らない
  • 安い
  • 加工がしやすい

パッと思いつくだけでもこれだけのアリの巣に向く点があります。


ガラス水槽も観察性には優れますが、穴あけ加工などの難度や価格、密閉性、そして大きさなどでプラスチックケースをアリの巣のケースとして選定する方が圧倒的に多いと思います。

便利で安いプラスチックのクリアケースは、わたしたちアリ飼育者にとってなくてはならない物ですね!

プラスチック5種類を紹介

ここでは蟻の飼育ケースに使われることが多く、手に入りやすい代表的な5つのプラスチックを紹介します。

透明感のイメージをつかめるようにショップカードを透かせて写真撮影をしました。

アクリル

表記の略号は「PMMA」

アクリル

ガラスより高い透明度があり、とても美しい。

パッと見でちょっと高級感あるプラスチックケースの場合、アクリルが使われていることが多いです。

アリの巣を自作するためのケースでは高価な素材で、保護シートが貼ってあったりします。

フィギュアケースや輸入品のアリの巣によく使われており、多く流通している板厚は、2mm~5mmくらいです。

箱状になっているものは、一体成型ではなく、組み合わせや貼り合わせの商品をよく見ます。

ポリスチレン

表記の略号は「PS」

ポリスチレン

スチロール樹脂とも呼ばれ、無色透明で観察性に優れます。

何より安価で、我らが大好き100円ショップのクリアケースに多く使われる素材です。

多く流通しているケースの板厚は、1mm~3mmくらいです。


ポリプロピレン

表記の略号は「PP」

ポリプロピレン


タッパーの本体や遠沈管によく使われています。

半透明なので長期に渡ってこのケースで飼育することは少ないが、タッパーは新女王の一時キープなどに使う人もいます。

ポリエチレン

表記の略号は「PE」

ポリエチレン

柔らかいのでタッパーのフタによく使われています。

これもポリプロピレンと同じく、半透明なので長期に渡ってこのケースで飼育することは少ないかもしれません。

ポリエチレンテレフタレート

表記の略号は「PET」

DSC_0388

略称の方が有名ですね!

「ペットボトル」の材質です。

板厚が薄い物が多く、透明度はあります。

手元にあるゼロコーラのペットボトルの板厚を測ったところ、約0.25mmでした。

100円ショップでも円筒形の容器が陳列されているのをみます。


プラスチック5種類に穴あけする

プラスチックに穴あけ

条件は同じにして、5種類のプラスチックに穴あけしてみました。

  • 穴あけ条件
  • ボール盤を使用
  • ケースに穴あけすることを想定して当て板無し
  • 一番使われるチューブ外径にあわせてドリル刃径は8mm
  • ドリルの刃は一般的な鉄工ドリルを使用

以上でどうなるか見ていきたいと思います。

アクリル「PMMA」に穴あけ

アクリルの穴あけ

大きなバリも出ることなく、キレイに穴があきました。

予算に余裕があるならアクリルは、優れたアリの飼育ケースの材料になります。

ポリスチレン「PS」に穴あけ

ポリスチレンの穴あけ

写真の通りヒビが入ってしまいました。

ポリスチレンは比較的硬く脆いので、穴あけの終わりやドリルの送りが速い時にヒビや割れが出やすいです。

安価な素材なので、ある程度の数を失敗する前提でたくさんケースを購入するといいかもしれません。


ポリプロピレン「PP」に穴あけ

ポリプロピレンの穴あけ

かなりキレイに穴あけできました。

柔らかすぎず、脆すぎない。

一般的な鉄工ドリルでも穴あけは非常に簡単です。

一時的な飼育ケースとして使うなら半透明の特性も許容できるでしょう。

ポリエチレン「PE」に穴あけ

ポリエチレンの穴あけ

材質が柔らかく穴あけ時に伸びる感じがします。

バリも大きく伸びたものがでました。

後にバリ取りしようとしても、柔らかすぎて上手くできないので、使いづらい材質だと感じます。

ポリエチレンテレフタレート「PET」に穴あけ

ポリエチレンテレフタレートの穴あけ

この薄さ(0.25mm)ではコシがなさすぎて、さすがに当て板無しでは穴あけできませんでした。

そのため、ペットボトルの状態で穴あけをし、その後、切り取りました。

あけた穴はむしれたようになります。

通常の鉄工ドリルでは慎重に穴あけしてもこのようになります。

ちょっと工夫しないと使いづらいですね。

まとめ

今回の記事では、アリの巣によく使われるプラスチック5種類を紹介しました。

クリアケースの材質は、略号で表記されていることもあります。

ネットショッピングでクリアケースを探す時は材質にも一度目を向けて購入を検討してはいかがでしょうか?


それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitterでお知らせ頂ければ嬉しいです!


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