軽石でアリの巣作りシリーズの3回目。
石膏巣の代わりになる巣として作り始めた「軽石巣」。
その1では、軽石をアリの巣の素材に選定した理由を書き、
その2では、軽石をアリの巣に使えるように加工しました。
今回は、複数の種類のアリに使った使用感や今後の展望を描いていきたいと思います。
先に結論を述べますと、
「軽石巣は石膏巣と比べて、さらに加湿飼育に特化した巣」
となりました。
軽石製アリの巣をセッティングした使用感
少し小さなケースでも作りました。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC_03662-1024x576.jpg)
保水量は石膏より大きい
吸水量は多く、石膏に比べても保水性が大きく高いようです。
底に溜まった水を数㎝は簡単に吸い上げます。
また、目が粗い軽石は吸水の速度が非常に速く、水を弾くような感じはありません。
![ありぐら](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0466-2-01.jpeg)
試しにしっかりと中心まで水を吸わせた軽石を3日間、陰干しした後に割りましたが、内部はかなり湿っていました。
相当、保水性が高いようです!
水分量が可視化できる
砂利の部分に水を溜めて軽石が吸い上げるようにしました。
ケース底面の砂利の間から水が見えるので、石膏巣にありがちな
「今の巣の水分量がわからない」という問題をクリアーできそうです。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC_03692-576x1024.jpg)
軽石の巣にアリを引っ越し
軽石の巣にいくつかアリのコロニーを引っ越しさせました。
写真と共に見ていきましょう。
![ありぐら](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0466-2-01.jpeg)
一部、テスターの方にお渡しして使ってもらった写真もあります。感謝!
クロオオアリ
まずは、大本命のクロオオアリ。
軽石巣に吸水限界まで水を吸わせたので、上部の方に集まっています。
そのまま飼育し続けていると徐々に全体を使うようになりました。
フタをしっかり閉めた容器で飼育していたので、軽石の上まで巣部として判定して使われていたようです。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/IMG_20200320_204152-768x1024.jpg)
オオハリアリ
写真はオオハリアリ。
自然界では石下や朽木の樹皮下などに営巣していますが、軽石の巣は気に入ってくれたようです。
写真を見ると狭い部分が人気のようです。
ちょっとオオハリアリにとっては部屋が大きいのかもしれませんね。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC_0655-1024x576.jpg)
クロヤマアリ
続いてクロヤマアリ。
クロヤマアリも湿潤環境を好む種ですので軽石の巣は気に入ってくれたようです。
天井からもたくさんぶら下がっていて、巣部を満遍なく使っています。
石膏より凹凸があるので蟻も足掛かりが良くて快適なのかもしれませんね!
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC_0859-1024x768.jpg)
アシナガアリ
女王と少しのワーカーの小コロニーを投入。
部屋が広すぎたのか、せっせと砂粒を外から運び込み、女王の居室を作り上げました。
これからコロニーの繁栄と共に拡張していくのでしょうか?
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/20201128_133303-1024x768.jpg)
ムネアカオオアリ
今回、試した種類の中で唯一、軽石の巣を嫌がりました。
原因は恐らく湿度が高すぎること。
容器の一部に給気フィルターをつけて外気を取り入れたところ、巣の内部ではなく、外に出てきました。
女王を筆頭に幼虫や卵も全て外へ運び出しています。
内部の過ぎた湿度は苦手なようです。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/IMG_20200401_211309-768x1024.jpg)
しばらく軽石の巣を使った感想
単品で使うのもいいがアリリウムの一部として使うのもおしゃれ
下の写真はアリリウムの一部として使った際の写真です。
巣内の観察より巣外(餌場)の観察を重視するため、あえて巣面を反対方向に向けてあります。
軽石の巣の巣口から蟻が出入りする様は、まるで屋外と同じ感じでとても素敵です。
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/IMG_20200825_213147-1-1024x768.jpg)
数か月使用して洗って再利用
数か月使用した軽石巣をメンテのために取り出しました。
やや黒ずんでいますが、水洗いして再利用できそうです。
また、においを嗅いでみると土のような香りがします。
一部の人にしかわからない表現ですが、十分に立ち上がった水槽のフィルターのにおいです。
生臭くなくて、土っぽい香り。
わずかですが水を溜めて止水がありましたので、嫌気性のバクテリアが湧いたりして有害なガスが出たら・・・とかは不要な心配に終わりました。
たまにアリに掘られる
軽石の硬さは密度によりますが、体感で石膏程度。
石膏と同様にアリが頑張ったら掘ることもあります。
試した種の中ではムネアカオオアリが掘っていました。
軽石の巣を気に入らない感じだったので、新天地を求めていたのかもしれません。
コケが復活する場合もある
軽石にはコケの根が残っているものもあります。
加水していると写真のようにコケが再び生えてくるものもあります。
自然感が増して嬉しくなりました!
![](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC_0532_1-1024x768.jpg)
軽石巣の今後の販売予定
今後は、他の石や流木などとケースに入れる「アリリウム」用品の一部として、いつか販売をしていきたいと考えています。
![ありす](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2020/11/正方形センター合わせ.jpg)
販売するなら、このブログでもお知らせすると思います!!!!
その時は、よろしくお願いしますっ!!!!
まとめ
今回の記事では、軽石で作った巣でアリの飼育に挑戦しました。
結果、「石膏巣と比べて、さらに加湿飼育に特化した軽石巣」ができました。
今後、販売することは不明ですが面白い巣材を見つけられたかと思います。
![ありぐら](http://ari-gura.com/wp-content/uploads/2022/11/IMG_0469-02.jpeg)
採算ベースに乗せないと販売したいって言えない。
試作でいっぱい軽石割って無駄にしたからなぁ。。。
最後までお読みいただきありがとうございました。