ムティラリウスオオアリってどんなアリなんだろう?
飼育情報の少ない海外のアリについて知りたいな・・・
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」にて飼育用品の開発製造販売をしています。
100種類を超えるアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!
ムティラリウスオオアリってどんなアリ?
(詳細ページクリックで海外種カテゴリページへジャンプします。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
ムティラリウスオオアリは、東南アジアに生息する大型のオオアリ属のアリです。
土の中に巣を作る種で湿った環境を好みます。
体格は日本最大種のクロオオアリやムネアカオオアリと比べて一回り小さく、丸みを帯びた体形です。
別名シャンバンオオアリ(Camponotus xiangban)ともいわれ、ヨーロッパではスイートアロマアント(Sweet Aroma Ant)といわれるぐらい甘い匂いの蟻酸を出すと言われています。
人によって感じ方は異なると思うけど、わたしには「甘い香り」っていうよりも「植物の茎を切った時(切り花)のような香り」だと感じるね。
他のアリの種類で言うとズアカオオアリにニオイが近いと思うよ!
同じく東南アジアにいる人気種のズアカオオアリよりも二回りほど小さいですが、メジャーワーカーも発生し、動きもややゆっくりな印象を持ちます。
また、特筆すべきは全身に生えている体毛です。
そして胸とお尻に赤い模様が入っているのも特徴です。
コロニーとしては2,000~4,000匹のコロニーに成長するそうです。
ちなみにシャンバン(xiangban)は漢字では「香斑」と書きます。
香りと斑点があるから別名でそうやって呼ばれるんだね。
本記事で扱うアリは流通名として学名のカナ読みである「ムティラリウスオオアリ」を Camponotus mutilarius の呼称としてご紹介します。
今後一般的になった名前に途中から変更することもありますのでご了承の上、この先を読み進めてください。
また、プライバシーポリシー・免責事項・利用制限等に記載の通り、呼称に特別な思い入れのある方などは本ブログのご利用をご遠慮ください。
生息環境と分布
原産はミャンマー・タイ・インドなど東南アジアを中心に広く分布しているようです。
営巣場所は、土中です。
体長
体長 | 備考 | |
女王 | 13~15mm | |
ワーカー | 6~12mm |
女王の体長は、手元の個体の実測で約15mm。
ワーカーは、頭の大きなメジャーワーカーが出現します。
丸い体はボリューム感があり、他の同サイズのアリよりも大きく感じます。
丸みを帯びたボディからかわいらしい印象を受けるアリですね!
赤と黒の目立つ配色もカッコよさがあります。
単雌 or 多雌 ?
ムティラリウスオオアリは単雌性です。
1匹の女王を中心にコロニーが形成されます。
1匹の女王から最大4,000匹のコロニーが形成されます。
ただ、成長はやや遅めなため、ゆっくりと成長していくとのことです。
ムティラリウスオオアリの飼育方法
ここからはムティラリウスオオアリの飼育方法について解説していきます。
一緒に勉強していきましょう!
エサについて
ムティラリウスオオアリは「雑食」です。
甘い蜜エサは大好物です。
蜜餌を中心に肉餌も共にバランスよくあたえましょう!
高タンパク配合の総合食ですべてのアリにおすすめ!
最高のアリのエサを自負するのが「スイーツパウダーpro」です。
既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。
使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。
蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。
この種は蜜エサの要求量がかなり多い種類だと思います!
スイーツパウダーproを好んで飲むからおすすめします!
おすすめの巣のタイプ
ムティラリウスオオアリにおすすめの巣のタイプは「石膏」「試験管」「3Dプリント」です。
地面に巣を作る典型的な土中営巣種です。
巣内は湿っているので、飼育時も加湿できる巣がいいでしょう。
さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。
「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「多湿を好む」です。
「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。
加水できる巣と親和性の高い種類ですね!
以上から、ここでは「石膏巣」「3Dプリント巣」「試験管巣」をおすすめさせて頂きます。
加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。
初めての飼育でどんな飼育用品を選んだいいかわからない・・・
こんな人には、割安のセット商品がおすすめです。
飼育の適正温度
適正温度は24℃~28℃が推奨とされています。
夏場は30℃を超えないように注意が必要です。
また、生息地は日本よりも暖かい気候ですので、冬場はどれだけ低くとも15℃以上にするように加温の必要があります。20℃以上をキープするように心掛けましょう。
ただ、標高1000メートルぐらいまで生息も確認されており、
他の東南アジア種よりもやや涼しい環境でも飼育ができるようです。
簡易的な温室は下記のセットで作ることが可能です。
発泡スチロールに穴あけしてコードを通すだけなので簡単ですよ!
また通年の温度対策として、エアコンを常時ONがベストなのは間違いないのですが、それが難しい人には「冷温庫」がおすすめです。
冷温庫があれば、エアコンの常時稼働も不要ですし、エアコンの電気代や「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。
最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温に必要な種類に使うこともできます。
ムダがないですね!
冬眠はする?越冬の方法は?
ムティラリウスオオアリは、冬眠をしない種類です。
先述の通り、冬場は最低でも15℃以下にしないように加温の必要があります。
20℃以上をキープするように心掛けましょう。
冬は加温の必要がありますが、冬眠しないので年中飼育を楽しめますよ!!
ムティラリウスオオアリの入手方法
ムティラリウスオオアリの販売先
ムティラリウスオオアリは海外の種類ですので、残念ながら簡単に自分で採集することはできません。
海外種は入荷が不安定ではありますが、下記で販売しています。
販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!
(↑詳細ページクリックで海外種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
まとめ
今回は、海外種のムティラリウスオオアリについてご紹介いたしました。
国内最大種のクロオオアリよりもやや小ぶりではあるものの、
派手な配色、体毛、独特な甘い匂いなど多くの魅力を持った蟻になります。
また、冬場の加温環境さえあれば飼育は簡単です。
オオアリ好きな人は飼育されてはいかがでしょうか?
この記事がムティラリウスオオアリの飼育に役立てばうれしく思います。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。