マニカ・ルビダの飼育方法|ヨーロッパの巨大ヒアリ!?|赤くて大きい|Manica rubida

種類ごとの飼育方法
アリ飼育者
アリ飼育者

・アリ飼育にちょっと慣れてきたから肉食性の強いアリについても知りたいな

・海外に生息するカッコいい肉食の蟻はいないのかな!?

こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。


この記事を書いた人

アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。

数十種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!




この記事でわかること

  • マニカ・ルビダってどんなアリ?
  • マニカ・ルビダの飼育方法
  • マニカ・ルビダの販売先

マニカ・ルビダってどんなアリ?

マニカ・ルビダ(Manica rubida)
マニカ・ルビダ

【欧州の巨大ヒアリの異名を持つ蟻】
✔毒針で積極的に狩りをする
✔後天的に多雌性になる特殊な生態
✔欧州最大の肉食アリ
✔ハリアリと違って土要らずで観察性◎
✔女王サイズ,9.5~13mm
✔ワーカーサイズ,6~9mm

(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)

マニカ・ルビダは、大型のツヤクシケアリ属のアリです。

体色は全体的に美しい赤褐色。

腹部と頭部に一部黒があります。


頭部から胸部にかけては細かなシワがたくさん刻まれ、細かく生えた立毛からマットな色合いです。

それとは対照的に腹部には強いツヤがあります。

ヨーロッパでは、現地で最大のサイズの肉食性が強いアリとして人気が高い種類です。


日本においては、今年(2021年)に入ってからマニカ・ルビダの輸入が許可されたばかりで、調べた限り市場に出たことはありませんでした。

本記事の公開と同時販売が日本初の「超大型新人」といった種類です。


ありぐら
ありぐら

マニカ・ルビダは存在を知って、かっこよさと生態の面白さに一目惚れしました。


そこで以前から輸入したかったので、植物防疫所に輸入可否の判定を依頼してたんです。

最近(2021年3月)になって、当局より輸入許可(本種の非有害判定)の連絡が来たので2021年度の新女王を輸入する準備を進めて飼育、販売に至りました!


まだ新女王しかいないけど、ここから育ててどんどん情報発信していきたいと思います!


下記はマニカ・ルビダのワーカーの写真です。

手元にはまだ新女王しかいないので、有料で使用許諾を得て、写真を用意しました。

2021年8月にワーカーが羽化しましたので、写真を追加しました。

全身赤くてカッコイイ種類ですね!

屋外におけるマニカ・ルビダのワーカーの佇まい


現地での呼び名は「ヨーロッパの巨大ヒアリ」

ヨーロッパの蟻友さんとやり取りをする中で、マニカ・ルビダについて現地での評判を聞いてきました。

ありぐら
ありぐら

ヨーロッパではマニカ・ルビダの評判はどうなの?

欧州の蟻友
欧州の蟻友

積極的に狩りをする面白さとあわせて、大きくて美しい蟻として飼育人気が高いね!

ありぐら
ありぐら

そうなんだ、一般の人は何て呼んでるの?

学名じゃないよね?

欧州の蟻友
欧州の蟻友

大きな体、毒針使った攻撃、そして高い攻撃性から

「The biggest(※big/giant) European fire ant 」(ヨーロッパの巨大なヒアリ)

って呼ばれることがあるよ!

(※日本で言う「和名」のような呼び名は欧州内の地域によります。Myrmica rubraが一般的に「European fire ant」と呼ばれるのに対し、それよりも大きなヨーロッパのヒアリと言われることがあるとのことです。)

ありぐら
ありぐら

分類的に違っても「ヒアリ」の異名を持っているんだね。

それなら刺されないように注意すべきかな?

欧州の蟻友
欧州の蟻友

刺されるとめちゃくちゃ痛いよ!

攻撃性もとても高いから、日本の飼育者の人に注意するように伝えてね。


上記のやり取りは、本当は英語でしています。

原文ではマニカ・ルビダに刺された痛みを聞いたところ、

欧州の蟻友
欧州の蟻友

「 Very very very aggressive & painful !!」

と教えてくれました。

さすがにわざと刺されて試したくはないので、どの程度の痛みかは身をもってお知らせすることはできませんが、みなさん注意して飼育してくださいね!

ハリアリの仲間との違い

先述しましたが、マニカ・ルビダはフタフシアリ亜科、ツヤクシケアリ属に属します。

同じように肉食性で毒針を持つハリアリやキバハリアリは、飼育に際して「繭の基材となる土」が必須で繭作りが鬼門と呼ばれる事があります。

少し癖があり、初心者向けとは言い難い一面がありますね。


ですが、本種マニカ・ルビダは繭を作らない裸蛹の種類ですので、繭の基材が不要です。

その点だけでも非常に飼育がしやすく、土を入れない石膏巣単体での飼育が可能ですので、観察性も上がります。



失敗例の多い、ハリアリの仲間よりも初心者向けとしてもおすすめできる種類です。


ありぐら
ありぐら

肉食性の強いアリの一種類目としてふさわしいと思います。
超オススメ!!


※ハリアリについて知りたい方は、飼育代表種のオオハリアリの記事がございます。下記をあわせてご覧ください。


生息環境と分布

中央ヨーロッパを中心に南ヨーロッパ、中東の一部に分布します。

営巣環境は、標高500~2000mの植生が少ない所で、河原のような石や岩がゴロゴロしたような荒れた山地です。

営巣地のイメージ画像



土中性であり、主に石下などに営巣します。

ありぐら
ありぐら

わたしが飼育しているコロニーは、ポーランドで採集されたものですね!

現地の人に「採集の機会があれば、生息地の写真をください!」と交渉中なので、いつかイメージ画像じゃなくなるかも!?


体長

体長備考
女王9.5~13mm女王には大型と小型が存在する。※後述します
ワーカー5~9mm

手元の女王は実測で11mm強でした。

ワーカーは一定の形態をしており、サイズが異なります。


ありぐら
ありぐら

国内に住む同属のツヤクシケアリ(ワーカー5~7mm)も大きめなサイズで毒針を持つアリだけど、それよりも更に大型の種類です!


カッコイイよ!!



単雌 or 多雌 ?

マニカ・ルビダは特殊な「後天的多雌性」です。


まず、結婚飛行を行った新女王は単独でコロニーを創設します。

その後、コロニーが大きくなると巣内にコロニーを創設した女王より小さなサイズの「小型女王」が発生して多雌性に移行します。

この小型女王は、生殖能力を持つものの繫殖にはほとんど参加せず、結婚飛行を行うことはありません。

そのまま巣内に留まり、女王とワーカーの役割を両方こなしていきます。



ありぐら
ありぐら

特殊な生態をしている種類ですね!

当面の飼育目標は、コロニー発展からの多雌化コロニーへの移行を狙っていきます!


↓ソース原文です。興味がある方はどうぞ。

引用元:Microgynous queens in the Paleartic Ant, Manica rubida: dispersal morphs or social parasites?


マニカ・ルビダの飼育方法

ここからはマニカ・ルビダの飼育方法について解説していきます。

一緒に勉強していきましょう!

マニカ・ルビダを飼育するにあたっての注意点

お尻に毒針を持ち人を刺します。

素手での取り扱いはせず、あり巣ガン(電動吸虫管)や筆などを使って移動させましょう。



エサについて

マニカ・ルビダは肉食性が強く、幼虫の成長にたくさんの肉餌を要求します。

成虫は好んで蜜餌も飲みますので、あわせて与えましょう。

本種の生餌のおすすめとしては、ショウジョウバエ>ミルワーム=レッドローチ>シロアリです。

ありぐら
ありぐら

この種に限ってはシロアリをあんまり食べないね。

それとミルワームは大きなサイズだと幼虫が皮を食い破れなくて食べられないみたい。


下のツイート見てもらえればわかるけど、人工餌のプロテインパウダーも食べてくれるよ!!


狩りの時の武器はお尻の「毒針」。

腰を曲げて獲物に「ブスッ」と刺し込んで毒を注入することで相手の動きを止めます。


あごも大きく、まさしく「肉食」といった佇まいでカッコイイ蟻です。


また、マニカ・ルビダは女王単独の時からエサを必要とする種類です。

少なくとも週に1度程度は、肉エサや蜜エサを与えましょう。

※追記

観察していると卵だけの時は、肉餌をほとんど消費しないようです。



ありぐら
ありぐら

女王単独の時から積極的に狩りをする種類だから、エサやりが楽しいね!



高タンパク配合の総合食ですべてのアリにおすすめ!

最高のアリのエサを自負するのが「スイーツパウダーpro」です。


既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。

使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。

ありぐら
ありぐら

肉食性の強い種類も好むような総合食(蜜+たんぱく源)を開発しました!

嗜好性には絶対の自信がありますので、記事をのぞいてみてください!


その他、蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。



おすすめの巣のタイプ

マニカ・ルビダにおすすめの巣のタイプは「石膏」「試験管」「アクリル」です。

石下などに営巣する土中営巣種です。

巣内も湿っているので、飼育時は加湿できる巣がいいでしょう。


ただし、肉食性のアリには積極的に昆虫を与えるので、腐敗した際のアンモニアなどがこもらないよう、餌場の通気は必ず確保してください。

メッシュ付きのエサ場をおすすめいたします。



また、野生の営巣環境は「石がゴロゴロしたような荒れた山地」です。

下記のような石を配置した石膏巣は、まさに野生環境に近いので最適でしょう。


自作の方法も公開していますので、よろしければ参考にしてください。



以上から、ここでは「石膏巣」をベストとして、次点で「3Dプリンター巣」と「試験管巣」をおすすめさせて頂きます。

ありす
ありす

わたしのお店でも石膏巣試験管巣3Dプリンター巣は売ってるし、作り方も公開してるよっ!!!



3Dプリンター巣は、下記の記事に詳細があります。


試験管巣は、下記の記事に詳細があります。


加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。




飼育の適正温度

500~2000mの標高の高い場所に生息する種類です。

生息地は日本の平野部よりも冷涼なところなので、夏場は26℃以下を推奨します。

高温多湿が苦手?

マニカ・ルビダを飼育されている方の中で複数の方が、7月半ばに女王のみがワーカーを残して死んでしまったとの報告をされていました。

その中で共通するのは、高温多湿であるのが要因の一つであるような気がしています。

マニカ・ルビダは土中性ですが、日本はヨーロッパに比べて高温多湿で空中湿度が高い気候です。

なので、巣内が蒸れやすいのかもしれません。


まだ、検証中ですが加湿は控えめで温度は25℃以下の低温or低湿が良い可能性があります。

通気性も含めてその点を注意して飼育に臨んでください。

2021/8/6 追記


下記は現在のわたしの飼育環境です。
この環境では今のところ調子よく育っています。

(25℃のエアコン設定で冷風が直接当たる場所。ほぼ23℃で安定です。湿度は50~70%ほど)


試験管より石膏巣を好むので、湿度は高めを好むのだと思います。

飼育している感じだと、ワーカー誕生後はある程度のスペースはあったほうが調子よく、温度も低い方が調子が良いです。


反面、耐寒性は高いので、冬場は氷点下になるような環境でなければ、加温の必要はありません。



ありぐら
ありぐら

執筆時点(2021年6月)では、国内に飼育例が全くヒットしない本種です。

今年は、下記の保冷庫を買ったので25℃以下での飼育も試していきます。

(現在は23℃で飼育)


保冷庫があれば、エアコンの常時稼働が不要になるのでエアコンの電気代が気になる人にはおすすめです。

また「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。

ありぐら
ありぐら

最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温に必要な種類に使うこともできます。

ムダがないですね!


冬眠はする?越冬の方法は?

マニカ・ルビダは、飼育下で冬眠をする種類です。

目安の期間は、11月~2月末頃まで。

冬眠時は、5℃~10℃ぐらいの温度がベストです。


温帯~寒冷地に住む蟻は、無理やり加温せずにしっかり冬眠させた方が翌年の調子が上がります。

冬眠する種類にとって冬は大切な体を休める時期です。

暖房などによる寒暖差がない場所でしっかり休ませてあげましょう。

ありぐら
ありぐら

わたしの飼育環境は冬場の室温が5℃~15℃程度です。

16~20℃設定で暖房をつけることも多いので、マニカ・ルビダのようにしっかり冬に休ませてあげたい種類は、上述の保冷庫で10℃位で安定的に飼育する予定です!


マニカ・ルビダにはおすすめポイントがいっぱい

ここまでマニカ・ルビダについて特徴や生態を書いてきましたが、改めてまとめてみます。

マニカ・ルビダはココがすごい!

  1. 2021年に輸入解禁されたばかりで、今回が初流通
  2. ヨーロッパで最大の毒針を持った肉食性の強いアリ
  3. 土要らずでハリアリよりも飼育難易度が低い
  4. 赤くて美しい体色
  5. 高い攻撃性と赤い体色、そして毒針から「ヨーロッパの巨大なヒアリ」の異名を持つ
  6. 後天的に多雌性に移行するという特殊な生態があり、飼育の目標がわかりやすい

こんなに魅力的な情報のある種類って少ないんじゃないかな?と言うくらいの魅力溢れる蟻です。

「欲張りセットやめろ」なんて聞こえてきそうな気さえします。

今年の蟻飼育界の一大ムーブメントになること間違いなし!?


マニカ・ルビダの入手方法

マニカ・ルビダの販売先

マニカ・ルビダは海外の種類ですので、残念ながら簡単に自分で採集することはできません。


海外種は入荷が不安定ではありますが、下記で販売しています。

販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!

マニカ・ルビダ(Manica rubida)
マニカ・ルビダ

【欧州の巨大ヒアリの異名を持つ蟻】
✔毒針で積極的に狩りをする
✔後天的に多雌性になる特殊な生態
✔欧州最大の肉食アリ
✔ハリアリと違って土要らずで観察性◎
✔女王サイズ,9.5~13mm
✔ワーカーサイズ,6~9mm

詳細ページクリックで海外種カテゴリページへジャンプします。

在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。

ありぐら
ありぐら

半年近くの事前準備と独自ルートによる㊙の交渉の結果、国内初流通なのにまとめて安く仕入れることで、海外種としては、かなりのお手頃価格での提供が可能になりました!

販売者としては、2021年上半期で間違いなく一番力を入れた仕事です!



日本最速&ハイクオリティの動画レビュー

YouTubeで動画投稿や当サイトと同じく蟻のブログを運営している「あんつべ」さんがマニカ・ルビダについて動画化されています。

掲載許可を頂戴したのでご紹介させていただきます。


動画内では狩りの様子、幼虫の採餌の様子、実践されている夏場の高温対策などがわかりますので必見です!


【最速レビュー】マニカ・ルビダを購入・飼育開始!【ヨーロッパの赤いヒアリ!?】Manica rubida


あんつべさんの運営メディア紹介

YouTubeーあんつべChannel / 30代からのアリ飼育

ブログーアリ初心者向けブログ ants base label


まとめ

今回は、海外種のマニカ・ルビダについてご紹介いたしました。

強い肉食性、大きな身体、毒針で狩りをする積極性、どれも肉食性の蟻が好きな方にとってはたまらない蟻だと思います。

さらに体色は赤くカッコイイ蟻です!

飼育に際しては、刺されないように注意してくださいね!

この記事がマニカ・ルビダの飼育に役立てばうれしく思います。


それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitter、お問い合わせフォームからお知らせ頂ければ嬉しいです!


参考書籍:日本産アリ類図鑑

参考:Wikipedia-Manica rubida(2021/06/06閲覧)

参考:Microgynous queens in the Paleartic Ant, Manica rubida: dispersal morphs or social parasites?



その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。


本記事について

海外生体の卸元からの情報を基に初回の投稿時の記事を作成しております。

手元での生体の管理状況を見ながら、日本の気候ならではの飼育方法など、気づいたことがあれば、随時、追記修正致します。


コメント

タイトルとURLをコピーしました