・山でツヤツヤしたクロヤマアリに似た種類をみつけたけどどんな種類だろう?
・石膏巣で飼育できる種類を知りたいな
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。
数十種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!
標高の高い場所で見られ、光沢があり美しい土中営巣種「ヤマクロヤマアリ」。
今日は、そんなヤマクロヤマアリについてご紹介しますね!
この記事でわかること
- ヤマクロヤマアリってどんなアリ?
- ヤマクロヤマアリの飼育方法
- ヤマクロヤマアリの販売先
ヤマクロヤマアリってどんなアリ?
(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
ヤマクロヤマアリは、中型のヤマアリ属のアリです。
都市部の公園などで最もよく目につくクロアリである「クロヤマアリ」に似ていますが、脚や触覚は褐色で金属光沢がある種類です。
海外種であれば、ヨーロッパ等に広く生息する「フスカヤマアリ」に非常によく似ています。
動きは機敏で非常に忙しく動き回る印象です。
生息環境と分布
本州以北~北海道まで分布します。
生息する標高は高く、図鑑によると1400m以上に生息するようです。
主な営巣場所は石の下で、亜高山帯の石をめくるとコロニーを見ることがあります。
平地ではなかなか見られない涼しい所にいる種類だね!
体長
体長 | 備考 | |
女王 | 約10mm | |
ワーカー | 3.5~6mm |
女王の体長は、約10mm。
ワーカーは、メジャーワーカーは出現せず一定の形態でサイズが変化します。
ヤマクロヤマアリくらいの中型種からは肉眼でも観察しやすいね!
単雌 or 多雌 ?
ヤマクロヤマアリは単雌、多雌コロニー共に見られるようです。
わたしは単雌コロニーしか入手したことがないから、単雌の割合の方が多いのかな?
ヤマクロヤマアリの飼育方法
ここからはヤマクロヤマアリの飼育方法について解説していきます。
一緒に勉強していきましょう!
エサについて
ヤマクロヤマアリは「雑食」です。
蜜餌を中心に肉餌も共にバランスよくあたえましょう!
甘い蜜エサが大好きで、わたしの元ではスイーツパウダーproを好んで飲んでいます。
蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。
おすすめの巣のタイプ
ヤマクロヤマアリにおすすめの巣のタイプは「石膏」「試験管」「アクリル」です。
地面に巣を作る典型的な土中営巣種です。
巣内は湿っているので、飼育時も加湿できる巣がいいでしょう。
さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。
「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「多湿を好む」です。
「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。
湿度は高めを好み、石膏巣との相性はバツグンです。
ですが、環境適応の能力も高いので、アクリル巣や試験管巣でも飼育可能です。
加水できる巣と親和性の高い種類ですね!
また、観察しているとあまりに給水し過ぎた石膏巣は好まないようです。
給水直後に餌場にたくさんの蟻が出てきたりしたら、少しだけ給水量を減らしてあげましょう。
以上から、ここでは「石膏巣」「アクリル巣」「試験管巣」を順位をつけずにおすすめさせて頂きます。
わたしのお店でも石膏巣は売ってるし、作り方も公開してるよっ!!!
水没防止機能付きのおすすめの平型石膏は下記の記事に詳細があります。
3Dプリンター巣は下記の記事に詳細があります。
試験管巣は下記の記事に詳細があります。
加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。
飼育の適正温度
標高の高い涼しい場所に生息する種類ですので、夏場は26℃以下を推奨します。
反面、耐寒性は高いので、冬場は氷点下になるような環境でなければ、加温の必要はありません。
夏場の温度管理は、エアコンがベストですが、保冷庫で管理することも可能です。
保冷庫があれば、エアコンの常時稼働が不要になるので、エアコンの電気代が気になる人にはおすすめです。
また「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。
最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温が必要な種類に使うこともできます。
ムダがないですね!
冬眠はする?越冬の方法は?
ヤマクロヤマアリは、冬眠をする種類です。
越冬時は幼虫などはおらず、成虫のみで冬越しをします。
目安の期間は、11月~3月初旬の中で3か月ほどです。
冬眠期間に入るのはコロニーごとに差があり、早ければ9月ごろからエサの消費量が落ちることがあります。
冬眠時は、5℃~10℃ぐらいの温度がベストです。できるだけこの温度の範囲で冬越しさせましょう。
冬場の飼育については、別記事に詳細がありますのでご覧ください。
ヤマクロヤマアリの入手方法
結婚飛行の時期に新女王を採集する
8月~9月が結婚飛行のシーズンです。
生息地では、晴れた暖かく風の弱い日に一斉に飛び立った新女王を採集できる可能性があります。
羽付きの女王は未交尾の可能性がありますので、路上で羽を落とした女王を見つけたら採集してみましょう!
新女王採集については別記事がありますので、ご覧ください。
山にいる種類だからちょっと気軽に新女王採集!ってのは難しいかなぁ。。。
コロニーごと採集をする
生息地を知っているならコロニー採集を試みてもいいでしょう。
標高の高い涼しい場所の「石の下」などを探すと見つけることができます。
コロニー採集には電動吸虫管アタッチメントの「あり巣ガン」がおすすめです!
使用のデモや使い方を詳しく説明しています。
ただし、採集時にはルール、注意点は守りましょう。
採集時の注意
- 許可なく私有地で採集してはいけない
- 公共の公園などでも採集禁止場所は多いので、必ず調べる
- 朽木や竹を割ったら人の往来のある場所に放置しない
- 安全に注意して怪我のないよう行う
わたしの住む愛知県西部の緑地公園は、採集禁止の場所がとても多い地域です。
自由に出入りできる公共の場、公園であっても、それぞれの場所のルールがあるので調べてみましょう。
わたしは私有地の山に行くときは、土地の所有者の許諾を得てアリ採集していますよ!
ヤマクロヤマアリの販売先
国内種は、下記にて販売しています。
新女王とコロニーの違いなど、販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!
(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
まとめ
今回は、国内種のヤマクロヤマアリについてご紹介いたしました。
亜高山帯に住むのであまり見かけない種類だとは思います。
飼育に際しては、振動や明るさの変化などに過敏なので、その点は注意してください。
その他は、夏場の高温に注意すれば平地に住む「クロヤマアリ」「ハヤシクロヤマアリ」などと同じような感覚で飼育可能です。
この記事がヤマクロヤマアリの飼育に役立てばうれしく思います。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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