キャピタトゥスクロナガアリの飼育方法|欧州に住む大型のクロナガアリ|Messor capitatus

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飼育
アリ飼育者
アリ飼育者

・キャピタトゥスクロナガアリってどんなアリなんだろう?

・情報の少ない海外種について知りたいな

こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。


この記事を書いた人

ありぐら
ありぐら

アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。

数十種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!


ヨーロッパに主に住む大型のクロナガアリの仲間「キャピタトゥスクロナガアリ」。

今日は、そんなキャピタトゥスクロナガアリについてご紹介しますね!


この記事でわかること

  • キャピタトゥスクロナガアリってどんなアリ?
  • キャピタトゥスクロナガアリの飼育方法
  • キャピタトゥスクロナガアリの販売先

キャピタトゥスクロナガアリってどんなアリ?

キャピタトゥスクロナガアリ|Messor capitatus
キャピタトゥスクロナガアリ

【大型のクロナガアリ】
✔南ヨーロッパ~北西アフリカに分布
✔種を主食にする変わった食性
✔大きなメジャーワーカーが出る
✔大型のクロナガアリの仲間
✔ツヤのある黒い体色
✔女王サイズ,14~18mm
✔ワーカーサイズ,3~15mm

(詳細ページクリックで海外種カテゴリページへジャンプします。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)



キャピタトゥスクロナガアリ(Messor capitatus)は、「種子」を主食にする変わった食性を持つ、日本にもいるクロナガアリの仲間です。

国内のクロナガアリと大きく違う点は、肉食性がもっと強く、メジャーワーカーも発生することです!

サイズも大きい上に繁殖力も高いので飼育していて非常に楽しいアリの種のひとつでしょう!


体色は全身光沢のある黒でバルバルスクロナガアリのように赤っぽい個体がいないのも特徴です。

また、コロニーとしては10,000匹のコロニーにも成長するそうです。



生息環境と分布

キャピタトゥスクロナガアリは、ヨーロッパでは、バルカン半島の地中海地域とイタリア南部に生息しています。

バルバルスクロナガアリとも若干生息域がかぶっているそうですが、バルバルスクロナガアリはスペイン、南フランスに多く生息しているそうです。


営巣場所は、土中を主とします。

ありぐら
ありぐら

わたしが飼育しているのはイタリアで採集されたものですね!


キャピタトゥスクロナガアリとバルバルスクロナガアリの違い

見極める方法としては、バルバルスクロナガアリよりもキャピタトゥスクロナガアリの方がメジャーワーカーが大きくなる点が挙げられます。

体色ではバルバルスクロナガアリは色彩変化(頭部や全身が赤っぽい)個体がいるのに対して、キャピタトゥスクロナガアリは全身が真っ黒というのも特徴の一つです。

また、バルバルスクロナガアリは丸みを帯びていますが、キャピタトゥスクロナガアリは角張っている、というのも見分けるポイントだそうです。

ありぐら
ありぐら

両種はサイズ感が似てるし、ヨーロッパの蟻友も「女王アリだけでは見分けるのは少し難しいね」って言ってたよ!


体長

体長備考
女王14~16mm
マイナーワーカー3~9mm
メジャーワーカー9~15mm

女王の体長は、手元の個体の実測で15mm強。

ワーカーは、メジャーワーカーも出現して、

マイナーワーカー:3~9mm

メジャーワーカー:9~15mm

になります。


ありぐら
ありぐら

わたしの手元にあるコロニーは初期コロニーだから、まだ大きなメジャーワーカーがいませんが、バルバルスクロナガアリを超えるサイズのメジャーワーカーが出るらしいですよ!(要検証)


単雌 or 多雌 ?

キャピタトゥスクロナガアリは単雌性になります。

1匹の女王から最大10000匹のコロニーが形成されます。



キャピタトゥスクロナガアリの飼育方法

ここからはキャピタトゥスクロナガアリの飼育方法について解説していきます。

一緒に勉強していきましょう!


エサについて

キャピタトゥスクロナガアリの主食は「種子」です。

小鳥用の種がブレンドされたエサをあげましょう。

その中から好みの種を選んで巣内に持ち帰って食べてくれます。

一生懸命に種を運ぶ姿はとてもかわいいですよ!

巣内に持ち帰られた種は皮がキレイにむかれて貯蔵されます。


また、キャピタトゥスクロナガアリは、種を貯蔵したがる傾向がとても強いので、与え過ぎに注意です。

与えすぎると腐ったり、発芽させてしまったりするので、種は一気にあたえるのでなく、消費量に見合った分を追加していくようにあげることをおすすめします。

キャピタトゥスクロナガアリは種食が目立ちますが、主食である種以外にも肉餌もよく食べますし、蜜餌もわずかには飲んでくれるのであたえましょう!


蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。


おすすめの巣のタイプ

キャピタトゥスクロナガアリにおすすめの巣のタイプは「石膏」「試験管」「3Dプリント」です。

巣内は湿っているので、飼育時も加湿できる巣がいいでしょう。

ここまでの流れなら「石膏巣がベストです!」という結論にいつもはなるのですが、クロナガアリの習性として種を貯蔵することが別の選択肢を有力にします。

タネは高い湿度とある程度の温度があると発芽してしまいます。

そこで石膏巣でもいいのですが、多湿なのに直接水が触れないため、種が発芽しずらい「二層式3Dプリンター巣」や「試験管セパレーター」をここではおすすめします。

※種を大量に与えすぎるとワーカーが管理しきれなくなってどのタイプの巣でも発芽、カビを誘発することがあります。


二層式3Dプリンター巣は下記の記事に詳細があります。

二層式3Dプリンター巣はココがすごい!

  1. 貯水エリアがあり、従来の3Dプリンター巣より乾燥しづらい
  2. 2つのカラーから選べる
  3. カーブ、ハート、雲、時計とデザインが豊富
  4. 大きさはSサイズとMサイズの二つから選べる
  5. 給水しなければ、乾燥を好む種にも使用可能
  6. 石膏巣より優れた特性→「多湿なのに濡れていない」を実現


試験管セパレーターは下記の記事に詳細があります。

試験管セパレーターのおすすめポイント

  1. カラーが2色から選べる
  2. 外部からの給水ができる
  3. 内部の汚れた水を排水できる
  4. 床が平面で蟻の脚が滑らない
  5. 石膏巣と同等以上の加湿性能
  6. 生活スペースは3つの小部屋にわかれている
  7. 保水スペースの給水量が「目で見てわかる」
  8. 着脱可能で引っ越し簡単
  9. 他の試験管用アクセサリーと相性バツグン!


平型石膏の作り方は下記の記事に詳細があります。


さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。

「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「過ぎた加湿は嫌う」です。

地面に巣を作る典型的な土中営巣種ですが、下記のように貯水エリアからは離れて生活しています。

またエサとなる種は、入り口近くのより乾燥した場所で保管する様子が見て取れます。


「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。



加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。


ありぐら
ありぐら

石膏巣のように水が直接触れるような巣内環境だと種が発芽して根が張ったり、腐りやすくなるからね!


※もし、湿度が足りないようなら給蜜器などでエサ場に水飲み場を常設することがベターです。


飼育の適正温度

国内種と同じような温度管理で問題ありません。

ヨーロッパでも見られるため、耐寒性が高い種類です。

冬場は常時5℃を下回るような環境でなければ加温は不要です。


夏場は30℃を超えないように注意が必要です。


夏場の高温対策として、エアコンを常時ONがベストなのは間違いないのですが、それが難しい人には「保冷庫」がおすすめです。

保冷庫があれば、エアコンの常時稼働も不要ですし、エアコンの電気代や「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。


ありぐら
ありぐら

最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温に必要な種類に使うこともできます。

ムダがないですね!


冬眠はする?越冬の方法は?

キャピタトゥスクロナガアリは、冬眠をする種類です。

冬眠時は、5℃~15℃ぐらいの温度がベストですので国内の一般種と同じように冬越しさせましょう。


冬場の飼育については、別記事に詳細がありますのでご覧ください。



キャピタトゥスクロナガアリは臆病!?

キャピタトゥスクロナガアリを飼育していて思うことの一つが環境の変化に敏感であることです。


具体的には、同属のクロナガアリと同じく振動や明るさの変化でパニックになりやすい種類です。



振動が少ない場所かつ、明るさの変化が少ない場所で飼育するのが良いでしょう。


キャピタトゥスクロナガアリ入手方法

キャピタトゥスクロナガアリの販売先

キャピタトゥスクロナガアリは海外の種類ですので、残念ながら簡単に自分で採集することはできません。


海外種は入荷が不安定ではありますが、下記で販売しています。

販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!

キャピタトゥスクロナガアリ|Messor capitatus
キャピタトゥスクロナガアリ

【大型のクロナガアリ】
✔南ヨーロッパ~北西アフリカに分布
✔種を主食にする変わった食性
✔大きなメジャーワーカーが出る
✔大型のクロナガアリの仲間
✔ツヤのある黒い体色
✔女王サイズ,14~18mm
✔ワーカーサイズ,3~15mm

(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)

まとめ

海外生体のキャピタトゥスクロナガアリについてご紹介いたしました。

ヨーロッパではバルバルスクロナガアリと並ぶ大型のクロナガアリとして愛されている種類です。

日本のおっとりした小さなクロナガアリもかわいいのですが、キャピタトゥスクロナガアリには大きなメジャーワーカーが出て肉食性が強いことが魅力的ですね!

この記事がキャピタトゥスクロナガアリの飼育に役立てばうれしく思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。


参考書籍:日本産アリ類図鑑



その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。


本記事について

海外生体の卸元からの情報を基に初回の投稿時の記事を作成しております。

手元での生体の管理状況を見ながら、日本の気候ならでは飼育方法など、気づいたことがあれば、随時、追記修正致します。


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