・アリに良い生き餌はないのかな?
・ベストワームの飼育情報が見つからない・・・
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」にて飼育用品の開発製造販売をしています。
100種類を超えるアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!
本記事で扱うガイマイゴミムシダマシは、流通名として認知される「ベストワーム」を呼称としてご紹介します。
今後一般的になった名前に途中から変更することもありますのでご了承の上、この先を読み進めてください。
また、プライバシーポリシー・免責事項・利用制限等に記載の通り、呼称に特別な思い入れのある方などは本ブログのご利用をご遠慮ください。
ベストワーム(ガイマイゴミムシダマシ)って何?
(詳細ページクリックで商品ページへジャンプします。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)
ベストワームは、ガイマイゴミムシダマシの流通名。
過去に主として爬虫類用の生きエサとして流通した小型ワーム(イモムシ)です。
世界中に分布し、日本にも定着しています。
ベストワームの使用感をざっくり言うと「小さなミルワーム」という感じ。
なんで今回はベストワームをわざわざ紹介するの?
サイズが「ミルワームより小さくて、ヒラタコクヌストモドキより大きい」というアリに与えるのにちょうどいいサイズだからなんだ。
これは興味津々!!!
詳しく知りたいね!
ベストワームはひと昔前(10年以上前?)に一時エサとして流行りかけたようですが、現在はあまりエサ虫として利用する人が少なく、飼育方法もあまり広まっておりません。
そこで、今回はこのベストワームについて飼育方法や特徴を書いていきますので、ぜひご覧ください。
ベストワームの特徴
ここではベストワームの特徴を挙げながら、どのようなところがアリのエサに適しているかを書いていきます。
外見
ワーム系の生餌として最も有名であろうミルワームと比べると幼虫の色は黒っぽく、成虫は丸みを帯びた印象を受けます。
サイズがちょうどいい
これまでアリの肉餌として生き餌では、ヒラタコクヌストモドキやショウジョウバエをよくおすすめしていました。
この2種は小さく、反撃能力がないのでアリにとって安全だからです。
ただ、小さいが故の問題点もあります。
それはある程度大きくなったコロニーにはボリュームが不足気味になることです。
そこで、
ミルワームほどは大きくなくて、もう少しだけ大きなエサが欲しい。
こんな需要を満たすのがベストワームです。
体長は成虫が約6-7mm。
幼虫(最大)が約13mm程度です。
ミルワームだと小コロニーのアリには大きすぎることが多くて、カットすることが多いんだけど、ベストワームなら小コロニーに1匹がちょうどいいサイズ感だね。
蛹はこんな感じだよっ!
足が速い
ワーム系の生餌として最も有名なミルワームと比べると特に幼虫の運動能力が高く、足が速いです。
運動能力高いって、生きたまま与えて大丈夫なの?
足が速いから、アリのこと考えるなら〆たほうがいいよ!
外皮はミルワームより柔らかいけど、食べやすさのためにカットしたり切れ込み入れるかはどっちでもいいかなという感じだね。
ベストワームの飼育方法
ここからはベストワームの飼育方法を書いていきます。
ベストワームの飼育方法の情報は少なく、繁殖までうまく漕ぎつけたもの、ダメだったものを記載します。
半年くらい色々試して、わたしなりの増える条件的なものがようやく見えてきたので、ここにまとめますね!
「5行でわかる」ベストワームの飼育方法まとめ
- 飼育ケースは大き目がいい
- 床材はふすまでOK
- 肉食性が強く、にぼし大好き
- 飲水は給水器で常設(湿度は上げない)
- 温度は高い方がいい(25℃~30℃ほど)
セッティング例
ここから詳しく見ていくよっ!!
飼育容器
下記のケースのように底面積が広く、通気性が一定以上あるものが良いです。
床面積が広いのがいいのはなんのため?
最初はこんな感じの直径10cmほどのビンでおしゃれに飼いたかったんだけど、うまくいかなかったんだ。
狭すぎたってこと?
成虫がずっと見られなかったから、密度高くて蛹化した段階で共食いしていたんだろうと思ってるよ。
あとは容器が狭すぎて水分をうまく与えられなかったね。(飲水については後述)
床面積の狭い小さな容器でも前蛹くらいの段階でうまく隔離できれば、増えてくれるかもしれません。
床材
ミルワームと同じくエサも兼ねて、一般的なふすまで良いです。
これを2〜3㎝ほど敷きます。
床材深さは5㎝以上あるとより共食い防止になるようです。
もし後述の給水器を入れても高さが許すようなら、深めの床材にしても良いと思います。
その場合、給水器下に段ボール等何か埋め込み、かさ上げする必要があるでしょう。
足場はあってもなくても良さそう。
入れるなら段ボールの切れ端とかで十分だと思います。
エサ
ベストワームは肉食性がかなり強く、多くのタンパク源を欲します。
わたしがいくつか試して一番良かったエサは「煮干し」です。
ひと掴み適当に床材に置くだけでいいです。
キャットフードなんかも試したけどあんまり食べてくれなかったね。
にぼしは大好きみたいで、こんな風にかなりきれいに食べるよ!
他に食べるものはないの?
寿命を迎えたローチの死骸なんかも好んで食べてたね。
ただそれだけだと、わたしのゴキブリ飼育量だと圧倒的にタンパク源が足りない感じだったから他にエサを探したんだ。
あとは生肉もかなり食べるけど、脂質は嫌うね。
何より乾物を与えられるのはとても楽だよ。
飲水
ベストワームはその肉食性の高さから、ウジムシ(ハエの幼虫)を食べるために鶏舎で大量発生することがあるようです。ウジムシが湧く環境なので湿度が高く水気がある富栄養の環境だと思います。
しかし、それを再現するために飼育下で湿度を上げるとコナダニの大量発生を招きます。
そこで、ケース内の湿度は上げずに飲水を常設して直接水分補給をさせます。
実は大型ゴキブリ用の給水器の足場を変えて、ベストワーム用にペットボトル給水器の別バージョンを製作しました。
設置は簡単でボトル内に水を入れて、ふすまに半埋没させて置くだけです。
多くの飲料用ペットボトルの口と合う規格になっていますので、使用するケース高さと照らしあわせて使用するペットボトルを使用可能です。
(写真は100円ショップ等で売られている30mlのボトルを使用)
※できるだけ小さく固いペットボトルの方が水漏れは起こしづらいです。
ボトル付きもご用意しています。
スロープ足場をのぼって、メッシュ部の水があるところまで飲みにきます。
ペットボトル給水器については別記事に詳細があるから見てみてねっ!
下記のような昆虫ゼリーも与えると好んで食べます。
なのでゼリーで水分を与える方法も考えましたが、埋もれていって周囲のふすまが湿気ってしまうのでわたしは採用しませんでした。
ミルワームみたいに野菜から水分をとる方法はダメなの??
食性が肉食性に寄っているからだと思うんだけど、そこまで野菜をたくさん食べないんだよね。
だから水分を野菜からだけで賄うのは難しいかも、ってのが印象だね。
温度
観察していると高温に強く低温に弱い印象です。
冬場も繁殖を目指すなら、25℃以上が良いでしょう。
わたしは冬でも30℃を超えることのある温室のヒーターそばにケースを置いています。
コナダニ発生防止に低湿、ベストワームの発育を早めるために高温を狙った環境ですね。
メンテナンス
床材となるフスマが細かくなり、抜け殻やが溜まってきたら清掃します。
わたしは下記のように電動吸虫管で脱皮殻を定期的に掃除しています。
この電動吸虫管アタッチメントについては下記に詳細があります!
まとめ
以上、アリの生き餌に最適なベストワームの特徴と飼育方法についてまとめました。
飼育情報についてはあまり広まっておらず、もっと適した方法も今後見つかるかもしれません。
ですが、わたしの手元ではひとまずこれで上手くいっています。興味ある方はぜひお試しいただき、上手くいったか教えてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
(詳細ページクリックで商品ページへジャンプします。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)