・アリを飼育してみたいけど簡単なのかな?
・女王アリを採集したけど、どうしたらいいの?
こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。
ここでは一般的な国内種の雑食のアリの飼育方法を一通り書いていますので、
最後まで読んでもらえれば、初心者の方にもアリ飼育の基本がわかるようになります。
飼育する種類によって巣のタイプ(巣内の湿度)を決める
アリは土に穴を掘って湿った地中で暮らすイメージが強いのですが、枯枝などに住み、過度な湿度を嫌う種類もたくさんいます。
まずは飼育したい種類が、どんなところに住んでいるかを調べて、どんなタイプの巣で飼うか決めましょう!
飼いたいアリの住む場所は調べたけど、どんな飼育用品が必要なの?
そんな人には、下記で初心者向けの飼育セットを用意していますので一度ご覧ください。
ネットにも飼育情報がほとんどないような種類もいます。
特に輸入生体や樹上性のアリについては日本語で読める飼育情報はとても少ないのが実情です。
そんな時にそのアリに適した飼育方法を判別する方法があります。
それは、「試験管判別式」と「環境選択式」の二つです。
詳しくは、下記にありますのでご覧ください。
アリのエサ
新女王(ワーカー誕生まで)へのエサやり
野生の女王アリの多くは結婚飛行を行った後、ワーカーの誕生までエサを食べずに子育てをします。
飼育下であれば新女王を採集した場合、ワーカーの誕生までは餌は必要あげずに育てることも可能です。
ですがエサを与えれば口をつけますので、不要ではないようです。
わたし自身はどうしているかと言うと、1~2週に一度程度、蜜餌を一滴など少量で与えています。
毎日与えてもほとんど食べませんし、頻繁なエサやりは、振動や空気の流入などのストレスの方が大きくなる可能性が高いです。
例外として、ハリアリ類なんかは絶食に弱いから、女王単独時でも積極的に給餌した方がいいね!
給餌がいらない種類でも試験管なんかの水が直接飲めないようなケースで飼育を始めた時は、飲水または蜜エサを与えるといいと思うよっ!!
新女王採集から1年目のコロニー飼育までの流れは、別記事に詳細がありますのでご覧ください。
エサを与える頻度
ワーカーが誕生した後の給餌間隔は、春から夏の活動期であれば、毎日~週に2回程度です。
季節や温度によって食べる量が変化しますので様子を見てあげてください。
ただし、毎日餌を与えてもほんのわずかしか食べませんし、数日間エサを与えずとも多くのアリは腹部に栄養を溜める事ができますので、そこまで給餌間隔には神経質にならずとも大丈夫です。
また、秋から冬の活性が低くなる間は、半月から一月に一度程度で大丈夫です。
(休眠期はそれでも食べないかもしれません)
冬の飼育については、詳しくは下記の記事にもありますのでご覧ください。
アリのエサの種類
アリには甘い蜜餌(糖質)の他に肉餌(たんぱく質)も与える必要があります。
詳細な種類は別記事に書いておりますので、ご覧ください。
おすすめのアリのエサ
最高のアリのエサ「スイーツパウダーpro」
アリ専用の総合食として、「スイーツパウダーpro」をおすすめ致します。
このエサは、蜜餌を主体にたんぱく質、脂質、ミネラルなど各種栄養素を豊富に配合した嗜好性バツグンの総合食です。
使用した飼育者の生の声を載せていますので、ぜひとも下記からご覧ください。
その他のおすすめのエサは下記にまとめています。
アリは同種でもコロニーごと、またコロニーの発展の程度により好き嫌いがあります。
ぜひ色々試してお気に入りの餌を見つけてあげてくださいね!
種を食べるクロナガアリなどの変わった食性をもつ種類もアリの中にはいるよ!
コロニー規模は大きくなるほど好き嫌いがなくなっていく傾向にあるね!
水を与える
アリは水を飲む
生き物なので当たり前ですが、アリは水を飲みます。
霧吹きやシリンジで餌場に直接水を落として与えてもいいのですが、給蜜器に水を入れて与えると水の残量がひと目でわかって便利です。
石膏巣にも飲水は必要?
アリ飼育において、あまり飲水について言及されていないのは、現在まで石膏巣における加湿飼育が主流だったからだと思います。
石膏巣を加水して使うと結露が発生しやすく、アリはその結露を飲んでいる様子を観察できます。
また、足元の石膏が濡れているのでそこからも水分を取れるのでしょう。
しかし、石膏巣での飼育でも給蜜器に水を入れてあれば、給水を忘れて乾燥させてしまって全滅するような場合でも時間稼ぎや保険になりますので安心できますね!
掃除する
与えた餌の残りは、できるだけ翌日までには取り除くことで、腐敗や発酵を防げます。
また、エサ場の汚れを放置するとダニが沸く原因となりますので、こまめな掃除がおすすめです。
エサ場の掃除方法について、詳しくは下記の記事にもありますのでご覧ください。
温度の調整
夏の室温
夏は高くとも30℃を超えないように注意しましょう!
一番はエアコンで常時管理することです。
保冷剤や凍らせたペットボトルで管理するような方法もありますが、冷えすぎたり狙った温度まで下がらなかったりと調節が難しいです。
保冷庫があれば、エアコンの常時稼働が不要になるのでエアコンの電気代が気になる人にはおすすめです。
また「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。
最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温に必要な種類に使うこともできます。
ムダがないですね!
冬の室温
冬は5℃以上あれば加温は不要
寒い時期はアリは産卵を止めて次のシーズンに備えて休息しています。
無理にヒーターなどで加温することは必要ではありません。
熱帯や高山帯の種類は、飼育温度に注意が必要な種類もいるよ!
アリ飼育に使う飼育用品
必須アイテム
- 巣
- エサ場
- ピンセット
- シリンジ
- エサ皿
便利アイテム
- 給蜜器
- 温湿度計
- 小型スプーン
- 筆
- 給水塔
- ピックアップツール(試験管巣の場合)
飼育用品は下記に一式ありますので、足りない物があればご覧ください。
アリ飼育キット
初めての飼育で何も手元になければセットで購入すると安くておススメです!
このセットはアリの巣以外のおすすめアイテムがそろってるよっ!!!!
アリの巣は初期なら次に紹介する「試験管セパレーター」がおすすめです!
もっと本格的なスターターセットもあるよ!!
横置きリンクスシリーズは別記事に詳細があるのでこちらをご覧ください。
巣の大きさはコロニーサイズに合わせて広げる
コロニーに対して大きすぎる巣を使うと巣内にゴミ捨て場を作ったり、アリの管理が行き届かずにカビが生えたりと問題が多いです。
最初は小さなアリの巣で飼育を開始し、徐々に大きなアリの巣に変えるのがいいでしょう。
※無理に小さな飼育容器で飼い続けるとアリはあまり増えなくなってしまいます。
管理面で言えばワーカーが増えるのに併せて、小さな巣を連結させていく方が飼育難易度は下がると思います。
大きな巣で長く飼いたいって場合は複数本の試験管巣で、コロニー規模に合わせて使わない場所をワタなどで封印しておくのもおすすめだよ!
新女王から初期コロニーは試験管セパレーターがおすすめです!
飼育ケースの置き場を考える
アリの飼育ケースを置く場所は
- 扉の開閉や洗濯機などの振動が伝わらないようにする
- 直射日光を当てない
- エアコンの風が直に当たる場所など温度変化が大きい所を避ける
これらを意識しましょう。
繰り返される温度と光の急激な変化、振動はアリにとって大きなストレスになります。
アリの引っ越し方法
飼育していると必ずすることの一つ「引っ越し」
汚れた場合や巣の拡張のため、古い巣から新しい巣にアリを引っ越しさせる時があります。
引っ越しの方法は、
- 蟻自身に引っ越ししてもらう
- 人間が強制的に行う
この2通りの方法があります。
詳しくは、下記の記事に書いてありますのでご覧ください。
エサやり時の脱走対策
エサやり時には蟻がエサ場から逃げ出す可能性があるので対策が必要です。
脱走対策をしなければゆっくりと落ち着いてエサの交換や掃除をすることができないからです。
それぞれのやり方を詳しく下記の記事に書いてあります。ご覧ください。
まとめ
蟻の飼育方法は、まだまだ手探りの部分が多く、情報、飼育用品共に不足しているのが現状です。
最初に飼育される方の失敗の多くが、他のペット同様に触りすぎてストレスをかけることに起因します。
飼育者はどちらかというと「観察者」であると思って、環境を整えたら蟻に任せて様子を観察してください。
これを意識すると上手くいく可能性が高まります。
不安になっても環境だけ整える。
そして、触りすぎないのが大事だね!!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitterでお知らせ頂ければ嬉しいです!
コメント
「単独女王時は」という所のくだり
もう少し説明を加味した方が良いかも知れませんね!?
原則要らないのは確かですが、
いる種も居るこということ
その際は必要なこと
を補足説明した方が良いかもしれません!?
出しゃばってすみません💦
コメントありがとうございます、参考になります!
どういった説明だとわかりやすいでしょうか?食性の偏ったハリアリ等の飼育まで書くと混乱するかなと迷っています。
えっと···自分でしたら··
ワーカー誕生まで(女王単独時)は原則として餌は必要ありません。
(但し、ハリアリ類等 単独時でも餌が必要な種も存在します。事前にある程度調べておくのも必要な事ですよね♪)
と書くかなぁ💦
あまりお答えになってませんね
すみません💧
追記しました。
アドバイスありがとうございます。