アリのエサって何をあげればいいんだろう?
エサをなかなか食べてくれないけど、今あげているエサよりいい物はないのかな・・・。
こんな疑問を本記事では解決します。
この記事を書いた人
アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の代表としてアリの巣などを設計開発しています。
アリ専用の粉末餌も作っています!
アリの好むエサは一般的には甘いお砂糖などが想像されますが、飼育時に砂糖だけでは栄養が不足します。
また、アリはグルメな一面があり、ずっと同じエサだけを与え続けるとエサに「飽き」が来てしまい、段々と食べなくなってきます。
そこで今回は、アリのエサとしてあたえられ、インターネットでも簡単に購入できるオススメの18種を徹底解説いたします!
もちろん、わたしが作っているエサだけでなく、他のおすすめ品も紹介しますので、この記事でアリの好むエサを見つけていってくださいね!
この記事でわかること
- 雑食性のアリのエサ2種類
- アリ専用のエサについて
- アリの好むエサ17選
- エサを食べない時の対策
雑食性のアリのエサは大きく分けて2つ
雑食性のアリにあたえる餌には大きく分けて2つの種類があります。
それが「蜜餌」と「肉餌」です。
蜜餌とは
アリが活動するために必要なエネルギーです。
お菓子や砂糖にアリが集まってくるのは有名なので、みなさん「アリのエサ=甘い物」というイメージがあるのではないでしょうか?
実はアリにとって甘ければ何でもいいわけではなく、しっかりと好みがあるんですよ!
下記は今日ご紹介する「蜜餌」の一覧表です。
わたしの飼育経験をもとに作成いたしました。
糖分はアリのエネルギー源として使われます。
肉餌とは
主に子育て期に蜜餌と共にあたえる動物質のエサ。
甘い食べ物だけでは、幼虫が成長するには栄養が足りないので動物質のものをあたえます。
野外で昆虫の死骸などを食べるためにアリが運んでいるのを見たことある方も多いのではないでしょうか?
肉餌は、蜜餌以上に好き嫌いが激しいもので、アリにとって嫌いなものは全くといっていいほど食べない場合もあります。
生餌が一番食べてくれるのですが、管理が必要なのと生きているエサを与えることに抵抗感がある方も多いので、さまざまな物をご紹介いたします。
下記はこの記事で出てくる「肉餌」の一覧表です。
わたしの飼育経験をもとに作成いたしました。
タンパク質は幼虫の成長の栄養源。
オオアリなどは子育てしない期間には、積極的に食べません。
わたしはアリ飼育におけるメインの肉餌として「ベストワーム」を使っています!
アリ専用の粉末餌
最初から「最高のアリのエサ」を紹介します
まず初めに下記の「スイーツパウダーpro」をおすすめします。
スイーツパウダーproは高タンパク配合で嗜好性バツグンのアリの総合食です。
わたしが飼育するアリ達は、このスイーツパウダーproで育っています。
既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。
使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。
これまでわたしの使ってきた、作ってきた中でも「最高のアリのエサ」です!
使って損はさせませんよ!
お得なアリの餌セット
スイーツパウダー
昆虫の血糖として多く含まれているトレハロースを主として、嗜好性を高めるためにその他糖類、フルーツをブレンドしました。
色んな糖類を試して、アリの好みと栄養を考えて作っています!
たくさんのアリ飼育者の方にお使い頂いている、アリのエサの鉄板商品です!
プロテインパウダー
手軽さと保存性を考えて作った粉末の肉餌。
アリの子育て期には、糖分だけでなく動物質のエサが必要です。
蜜餌に比べて肉餌はアリの好き嫌いが激しいものなので、「肉」「魚」「虫」の三種類を用意しました。
嗜好性は乾燥アカムシと同等程度ですが、ローテーションで与えることで、エサに飽きることの助けになりますよ!
元々は、生き餌が苦手だったわたし自身のために作って使っていたものなんです。
アリのエサは、必要な分だけ少量つかいたいので、徹底的に乾燥させて粉末タイプに加工していますよ!
アリの好みのエサ
蜜餌(糖質系のエサ)
メープルシロップ
嗜好性は高く、ほとんどのアリが好んで飲みます。
欠点は他の蜜餌に比べてやや保存性が悪いこと。
ハチミツなどより悪くなりやすいようで、わたしは冷蔵庫に入れていましたが、発酵臭がしてきたので、廃棄した経験があります。
しかし、アリに使用する量が少ないのが問題であり、数ヶ月で悪くなることはありません。
メープルシロップをメインに使用するアリ飼育者は多く、アリの蜜餌の代表格です。
原液は粘度が高いので、あたえる時に2倍程度に水で薄めてあげる方がアリにとって飲みやすいようですよ!
はちみつ
アリに近縁のミツバチが集めたハチミツ。
嗜好性はイマイチですが、料理に使う用途も多いのがメリットです。
人間用を少し取り分ければ、ムダがありません。
メープルシロップと同じく、粘度が高いので、あたえる際は2倍程度に水で薄めてあげる方がアリにとって飲みやすいようですよ!
昆虫ゼリー
カブトムシやクワガタ用のタンパク質配合の昆虫ゼリー。
昆虫ゼリーはわたしの経験では、最初はよく食べてくれましたが、飽きてしまったのか途中であまり食べなくなるコロニーがいくつか出てきました。
また、アリよりも大型の昆虫用に作られていますのでアリのエサとして使うには、ちょっと一つのゼリーが大きいです。
もし、少しだけあたえて、余った分を捨てるのがもったいないと感じる場合は、冷凍すれば次回のエサやりに再度使えます。
小型種のアリでも溺死しづらいことが大きなメリットですね!
ガムシロップ
嗜好性は、イマイチですが、メープルシロップやハチミツと同じく最初から液状なので使いやすいのが利点です。
また、アイスコーヒーなどをご自宅で飲まれる方は、人間用とアリ用を兼用できるのでムダがありませんね!
個別にわかれたポーションタイプとボトルタイプがありますが、アリのエサに使用するなら、好きな分量が出せるボトルタイプをおすすめします。
砂糖
砂糖は種類によって、アリの嗜好性が異なります。
精製された上白糖よりもミネラルが残る黒砂糖などの方がアリには好評です。
安くて量もあるので使いやすいのですが、単品だと飽きるので複数のエサをローテーションで与えることをおすすめします。
あたえる時は水で溶かして砂糖水にしてあげましょう。
果物
フルーツは、種類によってまったく人気が異なります。
リンゴ、モモ、ブドウ、スイカ、このあたりはわたしの飼育下では人気が高い種類です。
一方、ミカンなどの柑橘類やバナナは全然興味を示さず、好き嫌いがはっきりわかれました。
アリのエサとしては日持ちもしないし、高価なので、わたしたちが果物を食べる時に「おすそわけ」してあげましょう!
肉餌(たんぱく質系のエサ)
ショウジョウバエ
エサ用として流通するものは、主にキイロショウジョウバエとトリニドショウジョウバエがいます。
おすすめは、体長3mm程でやや大きなトリニドショウジョウバエ。
羽はありますが飛翔能力はなく、歩くことと小さくジャンプすることしかできません。(フライトレス)
ショウジョウバエに反撃能力はないので、生きたまま餌場に投入してもアリに被害が及ぶことはありません。
安全に狩りの様子を見ることができます。
与え方はキープしているボトルから「ふりかけ」のようにエサ場に落とします。
大量に与えたいときは「あり巣ガン(電動吸虫管)」で回収すると逃げ出さずに便利です。
繁殖方法は簡単で、下記のような粉末培地に水を入れて、成虫の足場となる木パッキン等を入れるだけ。
足場は木パッキンに限らず、成虫がつかまれるものであれば、リボンでもストローでも何でも構いません。
繁殖のコツは、夏場の温度を上げないこと。
20~25℃で管理するといいよ!
ミルワーム
生餌の代表格、ミルワーム。
おがくず、フスマなどと一緒にパックに入れられて販売されています。
アリのエサになるのは幼虫~蛹までですので、繁殖を狙わない場合は、冷蔵庫(温度が低すぎない野菜室がおすすめ)に入れて保管すると仮死状態になり、成長を止められます。
元気なまま与えると、アリに被害が及ぶ可能性があります。
心配であれば、カットしたり、頭を潰してからにしましょう。
大きくなったミルワームは小さなコロニーには大きすぎるので、カットして与える必要があります。
抵抗感がある方には次からご紹介するカットの必要ない生餌がおすすめです!
ベストワーム(ガイマイゴミムシダマシ)
前述のミルワームが小型化したような生き餌。
アリの肉餌としては最もおすすめしたい種類の筆頭です。
アリのエサにちょうどいいサイズ感です。
飼育方法は別に記載していますのでご覧ください。
ミルワームより小さくて、ヒラタコクヌストモドキより大きいからちょうどいいよ!
まずは紹介記事を見てね!
肉餌の中でどれか一つ選ぶとしたらベストワームをおすすめします!
ヒラタコクヌストモドキ
前述のミルワームがさらに小型化したような生き餌。
飛翔能力はなく、ツルツルした壁も登れません。
エサには幼虫のみを与えます。
繁殖は簡単で、小麦粉等を床材としてケースに入れて暖かい場所で放置するだけ。
夏場の高温にはかなり強く、室温のまま空調不要です。
冬は温度の低い場所では繁殖せず、成虫の比率が上がります。
当店ではいつも全粒粉に酵母を一定割合で加えてタンパク質強化したオリジナルの床材を使っていますっ!
これで爆発的に増えてるから超オススメですっ!!!!
⇩みたいなただの全粒粉や強力粉でもゆっくり増えていくけどね。
アリへの栄養強化にいいかなとおもって床材をタンパク質強化しています!
成虫は4mmほど、幼虫も大きくても5mm強ほどでかなり小さな生き物です。
この小ささにはメリット・デメリットが共にあります。
メリット
蟻の小さなコロニーには、ミルワーム1匹でも持て余すのでカットの必要がありますが、ヒラタコクヌストモドキの幼虫であれば、カットの必要はありません。
与える数で調整することができるからです。
また、反撃能力も皆無に等しく、生きたまま与えてもアリが傷つくことは今のところ見ていません。
デメリット
小さいためピンセットで培地から探し出すのが大変です。
茶こしを使って小麦粉を避けてピンセットで蟻に与えましょう。
管理のコツは通気性のいいケースで飼育することだね!
似ているけど別種のコクヌストモドキは飛翔能力があって管理が大変だから注意してね!
レッドローチ
エサ用のゴキブリ。
アリのエサにはSサイズを選びましょう。
嗜好性はとても高いのですが、その見た目や飼育時の独特な臭いに抵抗感がある方も多いです。
「ゴキブリを管理する」というハードルを乗り越えられる方には、優れた肉餌になるでしょう。
実はわたしもレッドローチはじめ、生き餌が苦手なのでプロテインパウダーを作ったんだよね。
衛生的に飼育するには、専用に作られた下記の飼育セットがおすすめです⇩
サケフレーク
手軽に与えられる肉餌の一つ。
サケフレークについた油などはティッシュなどで一度拭き取ってからアリにあたえます。
乾燥アカムシ
手軽に与えられる熱帯魚用のエサ。
アリは好んで食べはしませんが、好き嫌いの少なくなる大きなコロニーでは持ち帰って食べてくれます。
簡単にあたえられるのですが、単食だとアリがすぐに飽きてしまうので他のエサとローテーションであたえましょう!
ちりめんじゃこ
しらすを干したもの。
生のしらすの方が嗜好性が高いのですが、夏場にあたえて腐ってしまうと強い異臭を放つので干したちりめんじゃこをオススメします。
あたえる時はほんの少し水で戻した方がアリは食べやすいようですよ!
肉(牛、豚、鶏)
肉は、生のままでも茹でてもあたえることができます。
しかし、腐りやすいので余った分は翌日には必ず回収するようにしましょう!
料理であまったお肉を少しだけわけてあげるといいですね!
アリがエサを食べない場合の対策
アリは同じ種類でもコロニーごとに食べ物の好き嫌いがあります。
また、コロニーの発展の程度でも好き嫌いは変化していきます。
アリがエサを食べない場合は、飼育環境を見直すと共にできるだけ色々な種類のエサをあたえてみることです。
それでも食べないのであれば、無理に与えることはできないので、心配のあまり世話をしすぎてストレスを与えるよりも静置してあげましょう。
また、このような場合、アリはエサをほとんど食べませんので心配は不要です。
- 単独女王時~ワーカー数匹までの初期コロニー
- 秋~冬の休眠時(特に肉餌)
多くの場合、コロニーが大きくなるほど好き嫌いがなくなっていきますよ!
まとめ
今回は、アリにおすすめできる17種のエサをご紹介いたしました。
蜜餌と肉餌の一覧表を改めて載せておきますので、参考にしてみてください。
その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。