フスカヤマアリの飼育方法|欧州のクロヤマアリ|Formica fusca

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種類ごとの飼育方法
アリ飼育者
アリ飼育者

・フスカヤマアリってどんなアリなんだろう?

・情報の少ない海外種について知りたいな

こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。


この記事を書いた人

アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。

数十種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!


多雌で飼育可能な土中営巣種「フスカヤマアリ」。

今日は、そんなフスカヤマアリについてご紹介しますね!


この記事でわかること

  • フスカヤマアリってどんなアリ?
  • フスカヤマアリの飼育方法
  • フスカヤマアリの販売先

フスカヤマアリってどんなアリ?

フスカヤマアリ
フスカクロヤマアリ

【欧州のクロヤマアリ】
✔ヨーロッパでよく見られる普通種
✔土中営巣種で雑食性
✔クロヤマアリよりもツヤが強い
✔脚は褐色で美しい
✔女王サイズ,10~12mm
✔ワーカーサイズ,4~8mm

(詳細ページクリックで海外種カテゴリページへジャンプします。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)



フスカヤマアリは、中型のヤマアリ属のアリです。

日本には分布していませんがユーラシア大陸を中心に広く分布しています。


ヨーロッパの平野部では非常によく見られ、同属で日本種の「クロヤマアリ」のような立ち位置です。


体色について、国産種のクロヤマアリやハヤシクロヤマアリは濃灰色~黒のほぼ単色ですが、フスカヤマアリは脚が褐色かつ、ツヤが強いのでかなり異なった印象を受けます。


配色やツヤの強さとしては、国産種で言うとオオアリ属ではありますが、ミカドオオアリミヤコオオアリに近い雰囲気です。


動きは、クロヤマアリと同じく忙しそうに機敏に動くタイプです。


ありぐら
ありぐら

執筆時点(2021年6月)では、国内に飼育例や日本語での情報が全くヒットしない本種です!

調べた限りでは、本種が国内市場に流通するのも記事公開と同時の販売が日本では初めてのようです。


生息環境と分布

ヨーロッパ~アジア、アフリカの一部まで広く分布します。


比較的、乾燥した開けた草原などに生息します。


営巣場所は、土中を主として一部朽木にも営巣します。


ありぐら
ありぐら

日本のクロヤマアリと同じような感じの種類だね!


体長

体長備考
女王10~12mm
ワーカー4~8mm

女王の体長は、手元の個体の実測で約11mm。

ワーカーは、メジャーワーカーは出現せず一定の形態でサイズが変化します。

大きなワーカーはクロオオアリの初期ワーカーほどの大きさがあるので十分な存在感があります。


ありぐら
ありぐら

メジャーワーカーは発生しないけど、ワーカーサイズも大きくて肉眼でも観察しやすい種類だね!


単雌 or 多雌 ?

フスカヤマアリは多雌性です。

複数の女王が共同でコロニーを形成します。

単雌のコロニーも見られます。

フスカヤマアリの飼育方法

ここからはフスカヤマアリの飼育方法について解説していきます。

一緒に勉強していきましょう!


エサについて

フスカヤマアリは「雑食」です。

蜜餌を中心に肉餌も共にバランスよくあたえましょう!



高タンパク配合の総合食ですべてのアリにおすすめ!

最高のアリのエサを自負するのが「スイーツパウダーpro」です。


既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。

使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。


蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。


おすすめの巣のタイプ

フスカヤマアリにおすすめの巣のタイプは「試験管」「アクリル」「石膏」です。

地中に巣穴を掘る土中営巣種ですので、巣内の加湿は必要です。


さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。

「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「多湿を好む」です。

水をさえぎる綿付近を好むフスカヤマアリ


「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。



ですが、観察していると給水し過ぎた石膏巣は好まないようです。

また、餌場に滞留するワーカーの数も多く、絶対に多湿でないとダメという感じは受けません。

「ある程度」で十分なようです。

ありぐら
ありぐら

現地でも草原なんかの開けた場所にいるから乾燥耐性もある程度ありそうですね!
加水できる巣ならあまり強くこだわりがない種類だと感じます!



以上から、ここでは「石膏巣」「アクリル巣」「試験管巣」を順位をつけずにおすすめさせて頂きます。

ありす
ありす

わたしのお店でも石膏巣は売ってるし、作り方も公開してるよっ!!!


平型石膏の作り方は下記の記事に詳細があります。


3Dプリンター巣は下記の記事に詳細があります。


試験管巣は下記の記事に詳細があります。


加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。



飼育の適正温度

国内種と同じような温度管理で問題ありません。

寒冷地でも見られるため、耐寒性が高い種類です。

冬場は常時5℃を下回るような環境でなければ加温は不要です。


夏場は30℃を超えないように注意が必要です。


夏場の高温対策として、エアコンを常時ONがベストなのは間違いないのですが、それが難しい人には「保冷庫」がおすすめです。

保冷庫があれば、エアコンの常時稼働も不要ですし、エアコンの電気代や「蟻なんかのためにエアコンつけるの!?」っていう家族の目が気になる人には、良い選択肢になり得ると思います。


ありぐら
ありぐら

最初に購入する必要はありますが、保温と保冷の両用タイプなので、冬には加温に必要な種類に使うこともできます。

ムダがないですね!


冬眠はする?越冬の方法は?

フスカヤマアリは、冬眠をする種類です。

冬眠時は、5℃~15℃ぐらいの温度がベストですので国内の一般種と同じように冬越しさせましょう。


冬場の飼育については、別記事に詳細がありますのでご覧ください。


フスカヤマアリは臆病!?

フスカヤマアリを飼育していて思うことの一つが環境の変化に敏感であることです。


具体的には、国内最普通種である同属のヤマアリと同じく振動や明るさの変化でパニックになりやすい種類です。



石膏巣等の観察性の良い巣で飼育する場合は、振動が少ない場所かつ、明るさの変化が少ない場所で飼育するのが良いでしょう。


フスカヤマアリの入手方法

フスカヤマアリの販売先

フスカヤマアリは海外の種類ですので、残念ながら簡単に自分で採集することはできません。


海外種は入荷が不安定ではありますが、下記で販売しています。

販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!

フスカヤマアリ
フスカクロヤマアリ

【欧州のクロヤマアリ】
✔ヨーロッパでよく見られる普通種
✔土中営巣種で雑食性
✔クロヤマアリよりもツヤが強い
✔脚は褐色で美しい
✔女王サイズ,10~12mm
✔ワーカーサイズ,4~8mm

(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)

まとめ

今回は、海外種のフスカヤマアリについてご紹介いたしました。

日本で最もよく目につくであろうクロヤマアリと同じ感じで飼育できる種類です。

ですが、体色やツヤなどからまた違う印象をもつので、ヤマアリ好きな人は飼育されてはいかがでしょうか?

自作の石膏巣を使いたい方には、相性がいい種類ですよ。

飼育に際しては、振動や明るさの変化などに過敏なので、その点は注意してください。

この記事がフスカヤマアリの飼育に役立てばうれしく思います。


それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitter、お問い合わせフォームからお知らせ頂ければ嬉しいです!


参考書籍:日本産アリ類図鑑



その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。


本記事について

海外生体の卸元からの情報を基に初回の投稿時の記事を作成しております。

手元での生体の管理状況を見ながら、日本の気候ならでは飼育方法など、気づいたことがあれば、随時、追記修正致します。


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