ヤマトアシナガアリの飼育方法|加温不要で年中飼育を楽しめる|肉食性の強い中型種|Aphaenogaster japonica

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種類ごとの飼育方法
アリ飼育者
アリ飼育者

・飼育しゃすくて肉食性の強い種類っていないの?

・無加温でも年中飼育を楽しめる種類が知りたいな

こんな疑問や困りごとを本記事では解決します。


この記事を書いた人

アリ飼育用品店「あり巣 in underground」の製作担当です。

数十種類超のアリ飼育経験をもとにおすすめの飼育方法などを書いていきます!


無加温でも年中飼育を楽しめる「ヤマトアシナガアリ」。

今日は、そんなヤマトアシナガアリについてご紹介しますね!


この記事でわかること

  • ヤマトアシナガアリってどんなアリ?
  • ヤマトアシナガアリの飼育方法
  • ヤマトアシナガアリの販売先

ヤマトアシナガアリってどんなアリ?

ヤマトアシナガアリ
ヤマトアシナガアリ

【加温不要で年中飼育を楽しめる】
✔肉食性の強い中型種
✔室温(5℃以上)で冬も活動する
✔動きがゆっくりしている
✔肉エサの好き嫌いが少ない
✔女王サイズ,7~8mm
✔ワーカーサイズ,3~5mm

(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)

ヤマトアシナガアリは、中型のアシナガアリ属のアリです。

動きはゆっくりとしており、歩くスピードが遅いので観察しやすく、飼育においては扱いやすい種類と言えます。


「アシナガアリ」と比べると体格は小さく、脚が短い印象です。

体色は全体的に褐色でヤマトアシナガアリの方がやや明るい感じを受けます。


生息環境と分布

北海道~九州まで全国に広く分布します。

比較的、緑が残る場所や林縁部で見ることができます。


主な営巣場所は土中、石の下ですが、まれにボロボロになった朽木の中でも見ることができます。

ありぐら
ありぐら

湿った感じの林にいる種類ですね!


体長

体長備考
女王7~8mm
ワーカー3~5mm

女王の体長は、7-8mm。

ワーカーは一定の形態をしており、サイズがやや異なります。

女王もワーカーもお腹を下げて歩くことが多いので、実際の体長よりやや小さく見えるかもしれません。


ありぐら
ありぐら

お腹を下げて歩くから上から写真を撮ると途中で半分になってるみたいだね!


ヒアリと似ている!?

褐色の体色と小さな体、そして腹柄節(腹と胸を繋いでいるコブ)が二つあることで、国内への侵入が危惧されている「ヒアリ」と間違えられることもあります。


ヤマトアシナガアリと違い、ヒアリは脚が極端に長いわけではありません。

恐怖心や話題性から赤い小さなアリ=ヒアリと連想しやすいと思いますが、脚が長くてスラっとした印象を受けたらヒアリではないと思います。


ありぐら
ありぐら

胸の後ろにある棘の有無とか見比べるところは他にもあるんだけど、アリに興味がない人からしたら、「小さくて赤っぽいアリ」ってだけでヒアリに見えちゃうのは仕方ないね。

だけど、在来種でも似た種類が多いから、今のところは必要以上に怯える必要は無いと思うよ!


単雌 or 多雌 ?

ヤマトアシナガアリは単雌性です。

一匹の女王を中心にコロニーが形成されます。

ありぐら
ありぐら

一般的な単雌性の種類ですね!


ヤマトアシナガアリの飼育方法

ここからはヤマトアシナガアリの飼育方法について解説していきます。

一緒に勉強していきましょう!


エサについて

ヤマトアシナガアリは肉食性が強いので、肉餌を主食としてあたえましょう。

狩りをするというより屍肉食が強い種類ですので、エサの好みはあまりうるさくありません。

人工的な粉末餌でも食べてくれる飼育がしやすい種類です。

ただし、腹部に貯められるエサの量が少ないようで、エサ切れにはやや弱い印象があります。

アズマオオズアリなどのオオズアリの仲間ほどではありませんが、その点は注意しましょう。


できるだけ高頻度週に2~3回以上)でエサをあたえることがコロニー発展のコツです。


生餌のおすすめとしては、シロアリ=ショウジョウバエ>レッドローチ=ミルワームです。


蜜には好みがありますが、与えると飲むので肉餌と共に与えてあげましょう。


高タンパク配合の総合食ですべてのアリにおすすめ!

最高のアリのエサを自負するのが「スイーツパウダーpro」です。


既にお使いの方からも非常に高い評価を頂いています。

使用者の生の声を下記の記事からご覧ください。

ありぐら
ありぐら

肉食性の強い種類も好むような総合食(蜜+たんぱく源)を開発しました!

嗜好性には絶対の自信がありますので、記事をのぞいてみてください!


その他、蜜餌と肉餌のおすすめ品は下記の記事に詳しくありますのでご覧ください。



種もたべる!?

Twitterで近縁のアシナガアリが屋外で種を運んでいるとの情報を見ました。

そこで、ヤマトアシナガアリにも種を与えたところ、すぐに巣内に運び始めました。

本当に食べるかは今後の検証が必要ですが、肉食性が強いと思われていた本種がタネを食べるなら、新しい情報ですね。


ありぐら
ありぐら

トビイロシワアリなんかは、雑食と言われるけど、種も食べるからね!

ヤマトアシナガアリにも種食の性質があるのかな!?


※その後、しばらくしたら巣内に持ち帰った種から発芽しました。

種を割って食べるわけではないようです。


おすすめの巣のタイプ

ヤマトアシナガアリにおすすめの巣のタイプは「石膏」「試験管」「アクリル」です。

湿った林内の土中に営巣する種類です。

巣内も湿っているので、飼育時は加湿できる巣がいいでしょう。


ただし、肉食性のアリには積極的に昆虫を与えるので、腐敗した際のアンモニアなどがこもらないよう、餌場の通気は必ず確保してください。

メッシュ付きのエサ場をおすすめいたします。



さらに、わたしが飼育経験のないアリの飼育環境を探る時にする判別方法の一つ。

「試験管判別式」による乾湿の好みの判定は、「強く多湿を好む」です。

湿度の高い場所を求めて水をさえぎる綿付近を好むヤマトアシナガアリ


「試験管判別式って何?」って方は、下記の記事をご覧ください。


また、下の記事では、吸水性の高い軽石を使ってアリの巣を作り使用しましたが、ヤマトアシナガアリは石膏巣以上になるその多湿環境を好んでいました。

加水できる巣と親和性の高い種類ですね!

ですが、環境適応の能力もあるので、アクリル巣や試験管巣でも飼育可能です。



以上から、ここでは石膏巣」をベストとして、次点で「アクリル巣」と「試験管巣」をおすすめさせて頂きます。

ありす
ありす

わたしのお店でも石膏巣は売ってるし、作り方も公開してるよっ!!!


平型石膏の作り方は下記の記事に詳細があります。


加湿飼育については下記の記事に詳細がありますのでご覧ください。




飼育の適正温度

国内普通種ですので、基本は常温で問題ありません。

ただし、夏場は30℃を超えないように注意が必要です。

また寒冷地でも見られるため、耐寒性が高い種類です。

冬場は常時5℃を下回るような環境でなければ加温は不要です。



冬眠はする?越冬の方法は?

ヤマトアシナガアリは、飼育下では冬眠をしない種類です。

野生下では仮死状態で冬越しをしているようですが、わたしの飼育環境においては冬に活性が落ちるものの細々と採餌と子育てをしていました。

加温無しでも年中飼育を楽しめる稀有な種類ですね!

ありぐら
ありぐら

わたしの飼育環境は冬場の室温が5℃~15℃程度です。

朝方でも室温が5℃を下回ることがないので活動可能なのかもしれませんね!



ヤマトアシナガアリの入手方法

結婚飛行の時期に新女王を採集する

一般的に9月頃が結婚飛行のシーズンです。

生息地では、晴れた暖かく風の弱い日に一斉に飛び立った新女王を採集できる可能性があります。

羽付きの女王は未交尾の可能性がありますので、路上で羽を落とした女王を見つけたら採集してみましょう!


新女王採集については別記事がありますので、ご覧ください。


ありぐら
ありぐら

わたしは、まだヤマトアシナガアリの新女王に出会ったことがないので、詳細知っている方いたら、また教えてくださいね!




コロニーごと採集をする

生息地を知っているならコロニー採集を試みてもいいでしょう。

林縁の「石の下」などの中を探すと見つけることができます。



コロニー採集には電動吸虫管アタッチメントの「あり巣ガン」がおすすめです!

使用のデモや使い方を詳しく説明しています。


ただし、採集時にはルール、注意点は守りましょう。

採集時の注意

  • 許可なく私有地で採集してはいけない
  • 公共の公園などでも採集禁止場所は多いので、必ず調べる
  • 朽木や竹を割ったら人の往来のある場所に放置しない
  • 安全に注意して怪我のないよう行う


わたしの住む愛知県西部の緑地公園は、採集禁止の場所がとても多い地域です。

自由に出入りできる公共の場、公園であっても、それぞれの場所のルールがあるので調べてみましょう。


わたしは私有地の山に行くときは、土地の所有者の許諾を得てアリ採集していますよ!




ヤマトアシナガアリの販売先

国内種は、下記にて販売しています。

新女王とコロニーの違いなど、販売額も変動することが多いので、一度チェックしてみましょう!

ヤマトアシナガアリ
ヤマトアシナガアリ

【加温不要で年中飼育を楽しめる】
✔肉食性の強い中型種
✔室温(5℃以上)で冬も活動する
✔動きがゆっくりしている
✔肉エサの好き嫌いが少ない
✔女王サイズ,7~8mm
✔ワーカーサイズ,3~5mm

(↑詳細ページクリックで国内種カテゴリページが開きます。在庫切れの場合、商品ページが非公開の場合があります。)

まとめ

今回は、国内種のヤマトアシナガアリについてご紹介いたしました。

ゆっくりな動き、肉エサの好き嫌いが少ない、年中飼育を楽しめるという初心者にもおすすめできる生体です。

飼育に際しては、エサ切れには弱いので3日に1回以上のエサやりをするとたくさん増えてくれます。

この記事がヤマトアシナガアリの飼育に役立てばうれしく思います。


それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

感想やアドバイス、間違いのご指摘などありましたらコメントやTwitter、お問い合わせフォームからお知らせ頂ければ嬉しいです!


参考書籍:日本産アリ類図鑑



その他のアリの飼育情報を記事にまとめています。ご覧ください。

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